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三菱重工、「777X」胴体部品を神戸で生産

ニュースイッチ 8/25(木) 7:39配信

サプライチェーンの高度化に取り組む

 三菱重工業は2017年度から神戸造船所(神戸市兵庫区)で、米ボーイングの次世代大型旅客機「777X」向け胴体部品を生産する。三菱重工は777X向け後部と尾部胴体を担当。神戸造船所でスキンパネル(外板)を成形し、広島製作所・江波工場(広島市中区)で表面処理や補強材の組み付け、最終組み立てを行う。777Xは17年の量産開始を予定する。三菱重工はこれに合わせ生産拠点の再編や能力増強を実施しており、今回もその一環となる。

 神戸造船所内の既存建屋を活用し、スキンパネルを生産する。アルミニウム合金板を型に押しつけて板を伸ばしながら加工する成形機や、各種加工機を16年度にも設置する。民間航空機事業が属する交通・輸送ドメインは、16年度に689億円の設備投資を計画しており、その一部を充てる。

 現行機種「777」のスキン成形は大江工場(名古屋市港区)が担当している。777Xでは神戸造船所に最新設備を導入し、コストダウンを図る。当面は777と777X向けを並行して生産する。

富士重は140億円投資し自動化推進

 一方、富士重工業は2017年3月期に航空機事業の設備投資で前期比約2・3倍の140億円を計画する。米ボーイングの次世代大型旅客機「777X」の機体部品向け自動化投資が中心。

 富士重は777X向けに、胴体と主翼をつなぐ中央翼などを担当する。新設備を導入するのは宇都宮製作所(宇都宮市)と、半田工場(愛知県半田市)。

 中央翼部材の加工などを担う宇都宮製作所では、錆の発生を防ぐプライマーの吹きつけや航空機用のシーラント剤の塗布に、アーム型ロボットを導入。鋼板に補強材を打ち付ける工程には、オートリベッター(自動打鋲機)を追加する。

 777X向け機体部品は三菱重工や川崎重工業なども参画し、新工場建設や自動組み立てラインを整備中。17年の量産開始をにらみ、各社の設備投資はピークに達している。

 ボーイングは生産能力の増強とコスト低減の両立をサプライヤーに求めている。各社は777X向けで、現状比15―20%のコストダウンが必要とみる。

 川重は名古屋第一工場(愛知県弥富市)にロボットなどを導入した新工場を建設、17年春に稼働する。三菱重工も広島製作所・江波工場(広島市中区)に、自動組み立てラインを構築している。

<解説>
 ボーイングとエアバスの受注競争の激化を受け、機体部品を供給するサプライヤーへの値下げ要求も厳しいものになっている。このため各社は生産性向上によるコストダウンにまい進。三菱重工業も拠点集約やサプライチェーンの高度化に取り組んでいる。日本のモノづくりの底力を世界にアピールする絶好の機会だ。

最終更新:8/25(木) 7:39

ニュースイッチ