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千葉大、世界に先駆け“治療用遺伝子移植”で臨床試験-厚労省が承認、難病患者に適用

日刊工業新聞電子版 8/25(木) 13:31配信

患者から採取した脂肪細胞に病気治療用の遺伝子を導入、患者に再び移植

 千葉大学医学部付属病院は、患者から採取した脂肪細胞に病気治療用の遺伝子を導入し、患者に再び移植する治療法の臨床試験について厚生労働省の承認を得た。血液中の余分なコレステロールを取り除く働きを持つたんぱく質「LCAT(エルキャット)」を生まれつき作れない難病「家族性LCAT欠損症」の患者に同治療法を適用する。

 同難病は余分なコレステロールが腎臓や眼に蓄積。腎機能障害や角膜が白く濁る症状を引き起こす。同治療法は、患者の腹部の皮下組織から吸引・摘出した脂肪細胞を加工し、LCATを作る遺伝子を導入。加工後の脂肪細胞を注射器で患者の腹部の皮下組織に戻し、体内でLCATを作れるようにする。

 臨床試験の症例数は3例を予定する。細胞移植後6カ月間を観察期間、同期間後の5年間を経過観察期間とし、同治療法の安全性や有効性を評価する。

 千葉大では、脂肪細胞がヒトの細胞の中でも特に長寿命で、がん化などの変化を生じにくい点に着目。病気治療用の遺伝子を導入した脂肪細胞を移植する手法の研究を進めてきた。家族性LCAT欠損症患者に対する臨床試験の結果も踏まえ、将来は糖尿病などの他の病気の治療に同手法を活用することを視野に入れている。

最終更新:8/25(木) 13:31

日刊工業新聞電子版