ここから本文です

自ら法治を汚したイ・チョルソン候補者が韓国の警察庁長官に

ハンギョレ新聞 8/25(木) 21:58配信

「飲酒事故身分隠蔽」道徳性・資質論議にも 朴大統領、野党の反対無視して24日に任命 一線警察官「飲酒運転取り締まりなど、法執行も困難…」

 飲酒運転事故を起こしたが警察官の身分を隠して懲戒を避けていた事実が明らかになったイ・チョルソン警察庁長官候補者が、14万警察官を指揮する警察中枢の座に公式就任した。

 朴槿恵(パククネ)大統領は24日、新任の警察庁長官にイ・チョルソン候補者を公式任命したと、大統領府が明らかにした。朴大統領は前日の23日に国会に対し人事聴聞会の経過報告書送付を再要請したが、期限を当日深夜12時までと定めた。野党がイ候補者の「飲酒運転隠蔽疑惑」を挙げて、聴聞報告書の採択を拒否したにもかかわらず朴大統領は任命を押し切った。人事聴聞会法上、警察庁長官は国会が聴聞報告書を採択しなくとも、大統領は任命権を行使できる。

 イ庁長は飲酒交通事故に対する虚偽説明と自己の身分を隠蔽した疑いで道徳性・資質について激しい論議に包まれた。当初国会に送った人事聴聞資料には「23年前、単純飲酒運転事故で略式起訴され、罰金100万ウォンを払った」と書いたが、警察官の身分を隠して警察の懲戒を避けた事実が遅れて明らかになった。また、事故被害車両が全損だった事実が確認され「人命被害はなかった」という主張にも疑いをかけられている。

 イ庁長はこの日午後に開かれた就任式で「日常生活の中で法を守ることが、自身と共同体の双方に役立つという認識を広めなければならない」と強調した。しかし、警察官の身分を隠して懲戒を避け、出世街道を常勝疾走し警察中枢の座に上がった人が、14万の警察組織を指揮できるのかという自嘲が警察内部からも出ている。

 一線の地区隊で勤めるある巡査は「イ庁長が結局任命されたという話を聞いて、今後の飲酒運転取り締まりはどうなるのだろうと思った。他のことはいざ知らず、国民を相手に飲酒運転の取り締まりをするには困難がありそうで心配」と話した。また、ある警察関係者は「警察内部からも『23年前のことでいつまでもあれこれは言えない』という人もいるが、『庁長に相応しい人がそれほどいないのか、それが恥ずかしい』という人、『どうせ上で勝手に決めることなので関心ない』という人まで、意見は様々だ」として「イ庁長の任命について一線のムードは複雑だ」と話した。

 警察は違法行為を取り締まり処罰する刑事司法機関という点で、公務員社会全体に及ぼす波紋も大きい。

 最近、市道教育庁は飲酒運転で摘発され公務員の身分を隠した教育公務員940人の「事後懲戒」を推進中だ。これら身分を隠蔽した教育公務員たちを見つけ出したのは、監査院の要請を受けた警察だった。教育関連公共機関に勤めるある6級公務員は「教育公務員は遅れて不正の事実が明らかになり重い懲戒を受けようとしているのに、同じ不正を犯した警察公務員が警察の総帥になるとはおかしな話だ」として「納得できない」と話した。警察の公権力行使の正当性も揺らがざるをえない。参与連帯公益法センターのイ・ジウン幹事は、「警察はこれまで遵法を理由に市民社会に対する過度な公権力行使をしてきたが、果たして警察にそうする資格があるのか疑問を感じる」と指摘した。

 イ庁長は様々な不正の疑いで検察の捜査を受けることになった大統領府のウ・ビョンウ民政首席の人事検証を通じて候補者に内定した。ウ主席と大統領府秘書室で一緒に勤めた経歴などから、ウ主席の息子(機動警察)の職務特典論議とも関係があるのではと疑いをかけられている。警察庁長官の資格が、国家治安を総括できる資質と道徳性ではなく、大統領府権力の気に入られることだという話が出る所以だ。ある警察高位級幹部は「世論の批判も強く、国会も同意しなかった候補者を大統領の意志で任命したならば、その警察庁長官が誰に忠誠を尽くすかは火を見るより明らかだ」として「警察の政治的中立性に対する信頼を得られるか」と憂慮した。ある警察関係者は「権力の属性上、大統領府は扱いやすい人を警察庁長官に任命してきた。初めから落としどころを決めて検証したのでは不良検証になるのが当たり前」と指摘した。

 警察の階級上、治安総監である警察庁長官になる候補は、直下の階級の治安正監で、警察組織全体で6人しかいない。そのため警察内部では6人の選択肢の中から候補者を見つけなければならないという根本的な限界を指摘する声も出ている。ある警察幹部は「大統領府がイ庁長の飲酒運転交通事故の身分隠蔽事実を知っていながら指名したのは、代案がなかったためかもしれない。他の人を候補者に選択すれば、さらに大きな恥をかくからではないか」と話した。

ホ・スン、チェ・ヘジョン、キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8/25(木) 21:58

ハンギョレ新聞