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海の上の浮体式風力発電、リード目指す日本に欧州勢立ちはだかる

Bloomberg 8月25日(木)8時44分配信

日本は浮体式洋上風力発電事業で世界をリードすることを目指しているが、フランスなど欧州勢との激しい競争にさらされそうだ。企業や各国政府は、コストを削減すると同時にこの技術が他のクリーンエネルギーに対抗できることを証明しようとしている。

日本の取り組みの中心となるのは福島県沖で進められている浮体式洋上風力発電の実証研究事業だ。出力2メガワット(2000キロワット)と7メガワットと5メガワットの3基の発電設備や変電設備を備えており、この種のプロジェクトとしては現時点で世界最大。

経済産業省の委託事業である同プロジェクトは三菱重工業や日立製作所、丸紅などが参加するコンソーシアムによって進められている。浮体式洋上風力発電が商業的な可能性を見極めるのが目的の一つだ。

丸紅で同プロジェクトを担当する国内電力プロジェクト部の重村隆文部長代理は「風車に関しては完全に欧州に負けている」と指摘。一方で、日本の強みとして浮体の製造にいち早く取り組んできたことから「ノウハウがたまっている」とし、もともと造船所がたくさんあることも強みだと説明した。

同プロジェクトで最後に設置された5メガワットの風車は日立製で、早ければ9月にも試験運転を開始する予定。年内のフル稼働を目指している。

経産省新エネルギー課の佐藤司課長補佐は、海上の油ガス田開発で実績を積んだ欧州勢と比較すると日本は工事などのコストが高くなる傾向があると指摘。どうやってコストを削減するかを検討することが課題だと述べた。

福島県沖事業の規模は現在ノルウェー沖やポルトガルで行われている2メガワットの実証事業を上回っているものの、今後はこれを超えるような大型の案件が欧州で計画されている。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスのアナリスト、トム・ハリーズ氏によると、スコットランドで建設中の30メガワットの事業はすでに資金調達を終えており、2017年の運転開始が想定されているという。ポルトガルでも25メガワット規模の事業が現在資金調達中で、18年ごろに運転を開始する可能性がある。

同氏によるとフランスでは20年までに2つの事業(各24メガワット)の稼働が予定されているほか、入札実施を計画している案件もある。「2、3の実証機をのぞき、日本は大型浮体式洋上風力への支援を明確にしていない」と述べ「浮体式洋上風力産業を成長、持続させるためには、長期の見通しと今後の案件への支援を明確にする必要がある」と指摘した。

原題:Japan Expanding Floating Wind Farm Amid Intensifying Global Race(抜粋)

Chisaki Watanabe

最終更新:8月25日(木)8時44分

Bloomberg