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トランプ氏のレパトリ減税案、アップルやシリコンバレーは冷淡な反応

Bloomberg 8月25日(木)15時4分配信

米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ氏は、アップルのような米企業に対して大型減税を提案している。提案によれば、同社が海外で保有する約2000億ドル(約20兆円)の利益にかかる税率は引き下げられることになる。

しかし、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は24日、トランプ氏の対立候補である民主党のヒラリー・クリントン前国務長官のために資金集めイベントを共催。アップル自体に政治活動委員会はなく、クックCEOは個人的にクリントン氏を応援している。

トランプ氏がうたう法人減税に匹敵する提案を行っていないクリントン氏をクック氏が支持しているということは、トランプ氏の提案が米テクノロジー業界の幹部からあまり支持されていない状況を示している。幹部の多くは実際、トランプ氏の遊説中の大言壮語に懸念を表明している。アップルにこの記事についてコメントを求めたが、返答は得られていない。

米連邦法は企業に対し、海外利益を米国に環流(レパトリ)するまで税金支払いを延期することを認めている。トランプ氏の減税案ではこの延期措置を撤廃し、最高法人税率を15%に引き下げる。米企業がすでに積み上げた海外利益については、1回限りの税率10%を提案している。トランプ氏はこれにより米国への資金環流が加速し、経済成長およびインフラ投資に充てる税収を確保できると主張している。

欧州当局の調査

欧州連合(EU)当局は、アップルやアルファベット、スターバックスなどの米企業が加盟国で採用している税の仕組みを調査している。EU当局が課税を強化すれば、米当局は法人税法の改正に動く可能性があると、プライスウォーターハウスクーパーズの幹部、ロヒット・クマール氏は分析。「米国が課税しなければ、他の国に課税されるとの認識が広がっている」と述べた。

こうした認識の広がりは、クリントン氏がレパトリ減税を提案しなくても同氏への支持がテクノロジー企業の間で損なわれない理由を説明しているかもしれない。誰が大統領選で勝利しても、米政府はレパトリ減税を導入すると一部でみられている。

会計事務所デロイトの税務部門、デロイト・タックスの幹部ジョン・トローブ氏は「新大統領の下でレパトリが幅広い税制改正の目玉になるという総意はかなりある。それは避けられないと私も思う」と述べた。

原題:Trump’s Offshore Tax-Cut Pitch Falls Flat in Silicon Valley(抜粋)

Lynnley Browning

最終更新:8月25日(木)15時4分

Bloomberg