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免震・制震・耐震ってどういう仕組み?

ZUU online 8/26(金) 6:10配信

ここ数年、日本では大きな地震が立て続けに起きています。2011年には震度7を記録した東日本大震災、2016年には同じく震度7を記録した熊本地震が発生しています。地底で複数のプレートが重なり合う日本が「地震大国」と呼ばれているのはご存じの通りです。特に関東ではオフィスビルが建ち並ぶエリアも多く、「首都圏に直下型地震が来た時の地震対策は大丈夫か」という問題がしばしば論じられています。

地震への対策として、建物の「免震」あるいは「制震」「耐震」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。しかし、その意味まで詳しく知っている方は意外と少ないと思います。不動産を守るべきオーナーとしては、これらの仕組みをきちんと理解しておくことは大切です。そこで今回は、この3種類の地震対策について詳しくお話しします。

■耐震構造とは? 振動に耐える構造

まず「耐震構造」を簡単に言うと、柱や梁を強固に造ることによって、「地震に『耐える』こと」を目的にしたものです。一般的なマンションなどの集合住宅や、一昔前までのオフィスビルは耐震構造である場合が多いです。

地震に耐えることを目的にした構造ですので、「震動を逃がす」というより「震動が来ても耐えられるように造る」という考え方です。つまり、大きな地震が来た時には柱や梁にダメージを受けやすく、3種類の構造の中では、地震による建物の破損は最も大きなものになります。

また最近では柱や梁を頑丈に造るだけではなく、乾式間仕切り壁(石膏ボードを使用した壁)など、軽く丈夫な素材を使うという工夫もされています。これは、建物自体の質量を軽くすることで、地震の震動による建物自体の重さ(自重)による荷重を軽減するのが目的です。

最近のオフィスビルでは、耐震構造の採用は減少傾向にあります。しかし、マンションに関しては大規模物件でない限り、現在も耐震構造を採用するマンションが多いです。

■制震構造とは? 揺れを吸収する

制震構造とは、建物にダンパーという部材を設置することによって「建物の揺れを吸収する」仕組みです。ダンバーとは、自動車やオートバイのサスペンションをイメージしてもらえば分かりやすいと思います(あくまで理解しやすくするためのイメージです)。

そのダンパーを、建物の天井部分や壁部分に設置し、揺れを吸収してもらうのです。ダンパーをどの部分に、どのくらいの数を設置するかは、建物の構造や規模によって異なります。

たとえば、RC(鉄筋コンクリート)造りの高層マンションのような質量の重い建築物に関しては、すべてのフロアにダンパーを設置して各階で揺れを吸収します。一方で、軽量鉄骨造りなどの軽い建物では、最上階のみダンパーを設置したり、一部の壁部分にだけダンパーを設置したりして揺れを吸収します。

制振構造は、建物自体に揺れを吸収する部材を設置するので、外部からの衝撃にも強くなります。例えば、台風などによる強風の揺れもダンパーが吸収してくれます。

■免振構造とは? ゴムをはさんで揺れを建物に伝えない

最後に免震構造とは、建物の下部に揺れを吸収するゴム層を設け、地盤と建物を断絶させます。そうすることで、地震が発生した時に地盤の揺れを建物に伝えないという仕組みです。

耐震構造や制振構造との大きな違いは、「地中」で建物を絶縁しているという点です。

耐震構造では地中の硬い支持層まで杭を打ち、地盤と建物を強固にします。そうしないと、強い揺れが生じた時に建物の地下部分にある基礎部が地滑りや変形を起こし、建物が倒壊する恐れがあるからです。そのため地盤の揺れは建物にダイレクトに伝わり、損傷が大きくなります。

一方、免振構造はそもそも地中部分で「建物」と「揺れ」を断絶しているので、建物にかかるダメージが少ないのが特徴です。

■耐震・制振・免振それぞれのメリット・デメリット

3種類の耐震構造について、それぞれのメリット・デメリットを挙げておきます。

・ 建築コストについて
建築コストは、免震構造>制震構造>耐震構造という順番になります。免震構造は、土台部分から大規模な工事を行いますので、コストは一番高くなります。なお、既存のオフィスビルなどに地震対策を施す場合は、ダンパーを設置するだけの制震構造が最も容易にできます。

・ 建物の損傷リスクについて
建物の損傷リスクは、耐震構造>制震構造>免震構造の順番です。やはり、耐震構造は、揺れを「建物で受け止めて耐える」という発想のため、損傷のリスクはどうしても大きくなります。また、制震構造に関しては、どの程度ダンパーを設置するかによっても損傷リスクは変わってきます。

建物の地震への対策である3種類の構造について、理解を深められたでしょうか。それぞれのメリットやデメリットを把握した上で、自分が建てる投資物件にはいずれを選択するべきか、判断することになります。

コストに関しては、建物の規模によって大きく異なります。このため、いずれの構造を採用するにせよ、まずはどの程度のコストが掛かるのか、きちんと見積もりを取ることをお勧めします。その上で、リスクとリターンを鑑み、判断するのが最良の方法です。 (提供:民泊投資ジャーナル)

最終更新:8/26(金) 6:10

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