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【レスリング】吉田沙保里に「霊長類最強の女」を超える称号

東スポWeb 8月26日(金)10時1分配信

 リオデジャネイロ五輪で4連覇を逃したレスリング女子53キロ級銀メダルの吉田沙保里(33)が新たな名誉を手にした。敗戦を喫した決勝戦後には「取り返しのつかないことをしてしまった」と号泣していたが、日本選手団の主将としては6大会ぶりのメダリストとなったばかりでなく、後輩たちの金メダル獲得にも尽力。大会後には引退をほのめかす発言もしているが、その人間力の高さに「霊長類最強の女」を超える称号が与えられたのだ。

 史上最多の41個のメダルを獲得し、日本中を感動させた日本選手団が24日、全日空の2020便で帰国した。五輪4連覇を逃して号泣した吉田も選手団の主将として元気に日本の地を踏み、その後のメダリスト会見では「主将として銀メダルに終わって残念だったが、日本選手団の活躍をうれしく思う。これも選手一人ひとりが最後まで諦めずに戦った結果。日本で夜遅くまで応援してくれた国民の皆様のおかげです」と改めて感謝の気持ちを述べた。

 気になる去就については「まだ帰ってきたばかり。ゆっくりしてこれからのことを考えていきたい」と話すにとどめた。ただ、リオ滞在中にも引退をほのめかす発言をしており、現役選手としてマットに復帰する可能性は極めて低い。今後は別の形でお世話になってきたレスリング界、日本スポーツ界に貢献することになる見通しだ。

 吉田には様々な選択肢がある。すでに栄和人強化本部長(56)が母校の至学館大レスリング部のコーチを要請しているのをはじめ、日本レスリング協会の幹部には「吉田の人格、知名度を考えれば、日本レスリング協会の会長も最適。40代でもいい」と期待する声も。また、吉田が子供好きであることから「沙保里保育園を作ってほしい」とのリクエストもある。類いまれなる才能の持ち主だけにタレントを含め、どの分野に転身しても問題はないだろう。

 そんな吉田に対して、レスリング界から新たな称号を与えられていたことが明らかになった。これまでの「霊長類最強」をも上回る「神」だ。48キロ級金メダルの登坂絵莉(22=東新住建)は「沙保里さんは本当に神です。神と呼んでいます。今回、ずっと一緒にいさせてもらって、改めて思いました」と力説した。

 単にこれまでの実績や強さに対する称号というわけではない。リオで吉田と同部屋だった登坂が「緊張しすぎることもなく、いつもの気持ちで試合に臨めたのは、沙保里さんのおかげなんです」とも強調したように、自分のこと以上に周囲を気遣う姿勢を後輩たちは心から尊敬している。

 吉田が銀メダルに終わった夜は登坂と2人で夜通し泣いたが、それでも吉田は一夜明けると「自分が悲しんでいたら後輩が喜べない」と涙を拭ったという。登坂をはじめとした後輩たちは口々に「沙保里さんのようになりたい」と言い、栄本部長の妻で吉田が姉のように慕う怜那さん(37)にも同様のメッセージを送ったそうだ。

 これまで吉田に与えられていた称号は「霊長類最強の女」だった。いわずと知れた「霊長類最強の男」アレクサンダー・カレリン氏(48)にちなんだものだ。しかし、母・幸代さんが「霊長類最強とか言われて…まったく普通の子なんですけどね。そのあたりも(最良の男性との出会いを)邪魔しているところもあるかなと思う」と訴えるなど、ありがたくない一面もあった。

 もっとも「神」ではますます恋路から遠のく心配はある。ただ、今後はどのような道に進むにせよ、吉田は「神」の立場で周囲や後輩たちに恩恵を与えることになる。

最終更新:8月26日(金)10時17分

東スポWeb