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高橋優 すごくエグいところにも、すごく救いのあるところにも目を向けていたい/インタビュー2

エキサイトミュージック 8月26日(金)20時15分配信

 
■高橋優/New Single『光の破片』インタビュー(2/3)



武器を持って誰かを殺しに行く人間になるなら、武器を持たずに歌い続けて殺される人間であるほうが、シンガーとして全うできるんじゃないか

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――「誰かの望みが叶うころ」はさらに、花束とピストルならどっちがいい、という詞も強烈ですよ。

高橋:そうですね。でもその問いに、花束に決まってるじゃん、と答える人は何人ぐらいいるんだろうって。ピストルのほうがいいって人が意外といそうじゃないですか、このご時世。ただの服と防弾チョッキだったら、後者を持っていたほうがいいじゃないかって思っている人が多そうじゃないですか。海外ではテロが起きていて、国内ではテロが起きてないのに、一人の人間が何十人も殺そうとしたり、通り魔が増えたり。起こしたそいつが悪いのはもちろんだけど、その人だけのせいにして終わるのは絶対に違うと思うんです。煽っているメディアとか、いろんなことに原因が潜んでいると僕は思っているんですね。このまま行ったらどうなってしまうのか。そこに対しての疑問と怒りと不安、あと自分が信じているもの。それを「TOKYO DREAM」とはちょっと違った視点から歌っているのが、この「誰かの望みが叶うころ」ですね。その一方で、前の「産まれた理由」で僕が表現したかったのは、シンプルな絆とか愛の話なんです。それを、なぜ、こんなにも誰もしなくなっていくんだろうって気持ちもあります。誰かが誰かを殺したほうがメディアは取り上げるし、家族は今日も平和でしたなんてニュースは視聴率取れないですよ。あと芸能人が不倫して失敗してます、みたいな。それがお金になるからメディアの人達は取り上げるわけじゃないですか。人の失敗をみんなが商売にしている現状は、僕がどんな曲を歌っても変わらないと思うんですよ。僕の中にもあることだと思うし。そういうそもそも論のところで、デビュー当時の「素晴らしき日常」でも、僕は何か言いたかったんです。<あげ足とりたがりのチャンネルが正義を語る>みたいな言葉だったりとか。今回の「TOKYO DREAM」や「誰かの望みが叶うころ」にしても。早く自分のこういう歌が過去形になって、こんな時代もあったのかと言われればいいと思っているんです。デビュー当時の取材でも言っていたぐらいなんです。「素晴らしき日常」で歌っているイジメみたいなことも、いつまでも終わらない。終わらせない何かがある。また起こりましたよって言っている人達がいるからなのか、そうさせている視聴者達なのか。“みんなぐるみ”なんですよ。その中からちょっとでも一言違うキーワードを抜き出したいって思いで、曲を書いているところはありますね。


――突破口を?

高橋:突破するのは難しいかもしれないですけど。それはそうとっていう感じですね。人と人が殺し合うんじゃなくて、人と人が手を取り合う瞬間の話とか、幸せなこととか夢が叶うお話とか。そういうところにも目を向けていたいんですよね。すごくエグいところにも、すごく救いのあるところにも。でも久しぶりに楽曲でそういうところまで表現しましたね。武器を持って誰かを殺しに行く人間になるなら、武器を持たずに歌い続けて殺される人間であるほうが、シンガーとして全うできるんじゃないかなって気持ちがずっとあって。それぐらいの覚悟を持って歌ってものにしがみついていきたいと思っていたので。「誰かの望みが叶うころ」では、初めて曲に乗せました。改めてリアルタイム・シンガーソングライターと呼ばれた所以、今思ったことを歌うというスタイルは忘れずにいたい。その意思表示にもなっている気がします。

――たしかに。そこから4曲目「視力検査/メガネツインズ(高橋 優&亀田誠治)」になると、すごくホッとしますけどね(笑)。

高橋:今回のシングルでわりと最初のほうに出来た曲なんですよ。これでテンションが上がったんです。全部、亀田さんと二人だけで録っているんです。ストンプの音も、僕が足を踏んでいる音で(笑)。思いっきりDIYで、音楽って何でもできるんだって、すごく楽しみながら作っていったんですよ。ただ、ひとつ心配なのは、今は漆黒のスプーンで片目をふさいで視力検査しないんですよね(笑)。


――今は両目を開けたまま、双眼鏡みたいなのを覗いて検査しますからね。

高橋:そうそう。漆黒のスプーンを知らない子も多いのかなと思ったんですよ。あと、視力検査のときに、見えるところまで前に来てくださいって言われたことありません? 小中学生のとき、僕は3回ぐらいやられて。1メートルぐらいまで近寄っていったら、周りからちょっと笑いも起きるんですよ。でも検査する人は事務的に進めるじゃないですか。もうね、そこまで僕は辱めたんだったら、最後まで辱め通してくれよと(笑)。見えないのね、バカ、ダメな男ね、とか逆に言って欲しいぐらい(笑)。そういう視力検査への戸惑いといいますか。漆黒のスプーンさえ分かってくれれば、ダンスナンバーだから踊ってもらえるはずです。最高のグルーヴを出せたと思いますよ。

――このシングルを持って、9月3日・4日と『秋田CARAVAN MUSIC FES 2016』を実現させますが?

高橋:一言で言うと、秋田を音楽で盛り上げたいってことに尽きるんです。なぜなら盛り上がりに欠けている気がする自分がいるから。人口減少率ナンバーワン、鬱病になる人ワーストワン、将来的に消滅する可能性があるナンバーワン、全部が秋田県なんです。その一方で、ナマハゲとか昔ながらの文化もたくさんあるし、来てくれさえもらえれば楽しめるものが秋田にはたくさんあるんです。それを秋田の人達も誇りに思ったりとかね。あと、秋田の女子は秋田弁をあまり話さなくなっているんですよ。秋田弁をしゃべっているのが可愛いってなれば、また全然違うと思うんですね。どれかひとつのきっかけでもいいから、僕が開催させてもらうフェスで元気になって、笑う人が増えたり、秋田に住んでいて良かったと思ってくれる人が増えたり、秋田弁をしゃべる人が増えたりすればいいなと思っています。そう思ってくれるように、音楽で最高の2日間にしたいと思っています。

最終更新:8月31日(水)13時15分

エキサイトミュージック

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。