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高橋優 覚悟を持って歌にしがみついていきたい――最新シングル『光の破片』リリース/インタビュー1

エキサイトミュージック 8月26日(金)20時15分配信

 
■高橋優/New Single『光の破片』インタビュー(1/3)

高橋優の新しい名刺となりうる自信作、『光の破片』

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デビューした6年前、リアルタイム・シンガーソングライターと呼ばれ、不安も怒りも表現していた高橋優。いつしかその表現とは距離も置くように見えていたが、そんなことはなかった。15枚目のシングルとして8月31日に『光の破片』を発表するが、そこには原点を思わせる辛辣な表現の曲も揃っている。そしてまた、ここ最近の流れを汲んだストレートなナンバーもあれば、遊び心の詰まった楽しい楽曲もある。メッセージの強さと聴き応えは、初期からのファンには嬉しいだろうし、また最近、ファンになった方にとっては驚きのシングルにもなり得るだろう。『光の破片』は新しい名刺かもしれない、と本人も自信の仕上がりだ。
(取材・文/長谷川幸信)

自分が世に発信するものへのこだわりが前より強くなっている

――2016年でデビュー6年目になりましたけど、経験や時間を重ねるたび、心境の変化や新たな考えも芽生えるものですか?

高橋:そうだと思いますね。社交的キャンペーンを個人的にしているって前に言いましたよね? 2年間ぐらい続けていたんですけど、このたび終了しました(笑)。2013年の日本武道館ライブあたりから、このままじゃいけないと自分で思って、友達から誘われたら絶対にご飯に行ったり。それが夜中でもね。そして新しい出会いとかを求め続けてきた2年間だったんですよ。そのおかげで友達も増えたし、行きつけのお店もできたりとか。社交的になったことで曲作りでも新しい視点が加わったし、刺激にもなったし、すごく良かったんですよ。でも最近、改めて曲をすごく書きたくなって、同時に自分が世に発信するものへのこだわりも前より強くなり、それを自分でおもしろがれるようにもなって。こう発信したら、どんな反応が返ってくるんだろうって、ちょっと客観視しているような感じになってきてるんですよ。それはデビューから6年続けさせてもらっているからこそ芽生えたものだと思うし、この2年間の社交的キャンペーンのおかげでもあるだろうし。それで自分はこういう音楽をやりたいなって気持ちも芽生えてきているんですね。デビュー当時とは違った意味で創作意欲がかなり強くなっています。


――事実、シングルや新曲にも貪欲だし、ツイッターを見ても常にスタジオに入ってますね。

高橋:スタジオに入っている時間が、一番、心が安らぐんですよ、今。練習していること自体は疲れたり大変だったりするけど、ライブをもっと楽しくしたいんです。人に歌を聴いてもらえるときにありったけのものを見てもらいたいですからね。

――音楽に没頭しているのが楽しくなっているから、自分から何が沸き上がってくるのか客観視している自分自身もいると思うんです。

高橋:曲作りのときは、ちょっと客観視して、そしてまた熱中して、という感じですかね。客観視ばかりしていると曲は作れない。作れたとしても客観的に観ているなって、バレると思うんですよ。手紙とかもそうだと思うんです。熱中して精一杯届いてほしいって書いた手紙と、ちょっと引いて書いた手紙では、伝わり方が違うと思うんですよね。だから曲作りに関しては没頭するようにしています。形になってから離れて曲を見るようにしていますね。

――そこでニューシングル『光の破片』なんですが、収録されている4曲ともそれぞれの個性を持ったナンバーですね。例えば表題曲はどういうふうに思いながら作っていったんですか? 詞先ですか?

高橋:表題曲「光の破片」は、メロディが先だったと思いますね。漫画の『orange』をアニメ化するにあたってのオープニングテーマを作ってほしいとオファーをいただきまして、書かせていただくことになったんですよ。主題歌はコブクロさんでバラードなので、オープニングテーマはバラードじゃない感じが望ましいというリクエストもありながら。そこで最初にメロディを作ったんですね。歌詞の世界観は、漫画のほうをお話しいただく前から何度も読んでいたこともあって、自然とテーマは絞れてきましたね。人間模様のお話だなと感じていたので、それを何模様に例えよう、みたいな。


――社交的キャンペーンを続けていたこともあって、いろんな人との関わりもリンクしてきたり?

高橋:間違いなくあると思います。独りよがりになっていたら書けなかった詞ですね、2番なんてとくに。『orange』を読んだときの僕の印象は、ものすごく優しい人達のお話なんだけど、ものすごく寂しがりやの人達のお話でもあると思ったんです。主要キャラクターが6人ぐらい登場するんですけど、寂しがりやだから、俺らは仲間じゃん、一緒じゃん、みたいな感じ。そこから出る行動は優しいんですよね、相手のことを気遣っていて。例えば飲み会へ行っても、一人だけ寂しそうにしているヤツとかいるじゃないですか、たまに。輪に加われないヤツ。俺、そういうヤツだったんで。今はいろんな友達とご飯を食べるようになったり、ライブの打ち上げをやれば良い席に座らせてもらって、みんながワーッと盛り上げてくれたりするんですよ。そういうときに新しく入ってきたスタッフの子が寂しそうにしていたら、そいつの気持ち、メッチャ分かるんですよ。絶対に楽しくないだろうなって。放っておいてほしいと強がるヤツも、ほとんどの場合、声を掛けられたら嬉しいんですよ。だから打ち上げで声を掛けなくても、あとで「ずっとカルアミルク飲んでたね」って一言掛けると、気にかけてくれていたんだって嬉しくなるもんなんです。一人じゃないよって。歌詞の1番は万華鏡とか光の破片に例えて比喩表現して歌っているんですけど、2番はわりとダイレクトに表現しています。

――メロディも手を差し伸べるような優しさがありますね。

高橋:そうですね。

――客観視しているもう一人の自分自身は、この曲がどういうふうに伝わればいいなと考えていました?

高橋:ストレート球で王道な感じかなと思うんです。今年の流れの中で出来てきている「さくらのうた」とか「産まれた理由」みたいな感じで、カラオケとかで歌ってもらえたら嬉しいタイプの曲ですね。


――対して2曲目「TOKYO DREAM」は攻撃的な曲と歌ですが。

高橋:自分の本質的なものを赤裸々に出している曲なんです。

――詞も初期を思い起こさせるものがありました。

高橋:まさしく。一周廻って戻ってきたみたいなところがありますね。ちょっとしたいたずら心も働いていて、これも書いちゃえって。すごく楽しかったです。カップリング曲だけど、さすがにこの表現は行き過ぎだろうって、周りから止められることも想像していました。そしたら何て言葉で返そうかなってことも考えながら書いてました(笑)。

――書く作業自体は楽しんでいたんでしょうけど、中身はポジティブとは言いがたいですよね。ねじれた気持ちを抱えつつ、この東京という街で暮らしているのかなと。

高橋:うん。そこは変わってないか、もしかしたらデビュー当時よりもねじれたのかもしれない、いろんな意味で。もちろんこの6年間は幸せだったし、いろんな人に関わってもらえている感謝の気持ちもありますよ。でもその一方で、疑問というのは尽きないんですよ。世間に対して。その疑問とか不安とか忘れたと思われていたっぽいんです、高橋優は。もう、そっちの表現はやめたんでしょって(苦笑)。でもそう言われて全くイヤな気がしていなかったのは、ずっと出せる機会を伺っていただけであって。サビで<僕達は見失った>と書いているんですけど、それこそ、お前に何が分かるって言い返されそうじゃないですか。でも明らかに見失っているでしょという思いが僕の中でいろいろあって。そこをしっかり表現したいって思っていたんです。「TOKYO DREAM」で表現できて嬉しかったんです。

――バンドサウンドで攻めるアレンジも、今のライブスタイルの柱のひとつですからね。3曲目「誰かの望みが叶うころ」も辛辣ですが?

高橋:歌い出しとかね。万札なんて破り捨ててしまえばいい、と歌ってますから。

最終更新:8月31日(水)13時15分

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