ここから本文です

<日本電産>「M&Aで失敗しない男」永守重信会長の自信

まんたんウェブ 8月27日(土)12時0分配信

 2014年度の売上高1兆円達成後、大きな買収案件がなかった日本電産だが、ここに来て過去最大規模の買収を成立させた。M&Aで高値つかみしない同社だけに「適正価格で買収できた」と永守重信会長兼社長は胸を張る。これを機に中期計画の重点事業を大きく飛躍させる構えだ。【経済界】

 ◇欧州景況悪化と円高が引き寄せたタイミング

 日本電産が米エマソン・エレクトリックのモーター・ドライブ事業と発電事業の買収を発表した。具体的にはエマソン傘下の仏ルロア・ソマー(LS)社と英コントロール・テクニクス(CT)社などで、買収事業の2015年9月期の売上高は16億7400万ドル。買収額は1200億円で、日本電産にとっては過去最大規模の買収となる。なお、日本電産は10年にエマソンからモーター事業(EMC事業)を買収している。

 日本電産の成長戦略は、既存事業の自律成長と企業買収が車の両輪となっている。14年度には売上高1兆円を達成。事業規模が1兆円になると、売上高3000億~5000億円規模の会社が買えるようになるため、大型買収をにおわせる発言をしていた。しかし、翌15年度は大きな買収案件はなかった。

 15年度は小規模の会社を7社買収した一方で、8社の買収を見送ったという。永守会長兼社長は「M&Aで失敗しない」と語るが、その秘訣(ひけつ)は決して高値つかみをしないこと。同社はすべての事業において営業利益率15%を達成することが経営のノルマになっているが、M&Aにおいても判断材料になっている。買収後にのれんの減損を計上した上で、いかに早期に営業利益率15%を達成できるかが決め手となる。「15%の利益が出せない事業には近づかない」と永守会長は強調する。そして、買収価格が高いと判断すれば、適正価格に下がるまで我慢して待つ。

 今回買収した事業も以前から買収したいと思っていたが、昨年は円安基調で、なおかつ事業も好調で買収価格が高く、見送っていたという。それが今年に入って、欧州の景況感の悪化で事業が低迷し、さらに為替が円高に振れて条件が好転してきた。

1/3ページ

最終更新:8月29日(月)14時52分

まんたんウェブ