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犬猫繁殖しすぎ 手に負えず近隣トラブル

上毛新聞 8月26日(金)6時0分配信

 犬や猫を適切に飼えず無制限に繁殖させ、飼い主が近隣住民とトラブルになる例が群馬県内で相次いでいる。増えすぎて手放そうとしても引き取り手が現れず、殺処分されるペットも多い。自治体や動物愛護団体は去勢や避妊手術をするよう呼び掛けるが、無責任な飼い方をしている自覚がない飼い主も多く、対策は進んでいない。

 県央地域の借家で梅雨の時季、狭い室内に汚物の臭いが充満し、30匹ほどの猫が身を寄せ合っていた。飼い主は1人暮らしの女性で、3年前に2匹だった猫は、避妊などの手術を受けさせず繁殖。餌を与える以外、ほとんど放置していたとみられる。悪臭で近隣住民から苦情が寄せられるようになり、ボランティア団体のまえばし地域ねこの会(関沙織代表)が里親探しなどの支援を行っている。

 ペットブームの影で、増えすぎた犬猫の相談は自治体や動物愛護団体に相次いでいる。年間10件以上、同様の相談が寄せられる高崎市によると、飼い主には1人暮らしの高齢者など身寄りのない人が多い。飼えなくなったペットの引き取り手が見つかる例は少なく、やむを得ず殺処分されることもあるという。

 動物愛護法は飼い主の義務として、動物をむやみに繁殖させないよう求めている。県動物愛護センター(玉村町)によると、県内では今年4月現在、15市町村が犬や猫に対する避妊、去勢手術の費用を一部助成している。同センターは「支援策を活用して手術を行い、適切に飼育してほしい」と強調する。

 NPO法人群馬わんにゃんネットワーク(高崎市)の飯田有紀子理事長は、飼い主の中には周囲から忠告されても繁殖を繰り返したり、支援を拒む人もいると指摘する。欧米ではこうした人は「アニマルホーダー」と呼ばれ、精神疾患の一つに認知されているとして、「日本では『変わった人』と片付けられてしまうが、飼い主への医療的な支援をしないと根本的な解決にならない」と訴えている。

最終更新:8月26日(金)6時0分

上毛新聞