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アップルのくしゃみじゃもう風邪を引かない!?電子部品業界は中国スマホが媚薬に

ニュースイッチ 8月26日(金)7時44分配信

イケイケの村田製作所、TDKや太陽誘電も業績をけん引

 電子部品業界で、中国のスマートフォンメーカー向けの需要が拡大している。中国スマホに強い村田製作所はもとより、TDKや太陽誘電などの販売も好調に推移。高速無線通信「LTE」サービスや高速化技術「キャリア・アグリゲーション」などの進展に伴い中国スマホの高機能化が進んでおり、高性能な部品を作る日系メーカーにとって追い風になっている。部品点数も増えることから、今後も電子部品各社にとって商機が広がりそうだ。

 直近の業績である2016年4―6月期で見ると、村田製作所は、中国でマルチバンド対応のLTE端末生産が増えたことにより、表面弾性波(SAW)フィルターの販売が増加。SAWフィルターを含む圧電製品の売上高は前年同期比17・1%増加となり、円高の中で唯一、増加した製品セグメントとなった。藤田能孝副社長は「4-6月期の中国向けの受注は前年同期比30%増加している」と語気を強める。

 TDKは16年度下期以降、SAWフィルターなど高周波部品と二次電池について「中国の得意先への販売が引き続き堅調に推移する」(山西哲司取締役執行役員)と分析。北米の新型端末の需要動向には不透明感が残るが「スマホ向け販売は全体として通期で想定通りの販売が見通せる」(同)と説明する。

 TDKの16年4―6月期業績は、円高に苦しみながらも大手の中では比較的好調だった。営業利益は村田製作所が前年同期比23・9%減だったのに対し、TDKは同9%減にとどまった。「北米が低調な中、中国の勝ち組(とされるメーカー)に部品や電池を拡販できた」(同)ためだ。

 太陽誘電もSAWフィルターや薄膜圧電共振器(FBAR)などの高周波部品を中心に「16年7―9月期以降も中国・台湾向けで引き続き旺盛な需要がある」(福田智光上席執行役員)と見る。北米スマホ向けは上期全体では弱含み、16年10―12月期以降も不透明感がある。ただ「想定よりも旺盛な中国・台湾向けが(北米の落ち込みを)カバーする」(同)。

 近年、スマホ市場は米アップルと韓国サムスン電子の2強だけでなく、最大市場の中国に依拠する華為技術(ファーウェイ)や小米(シャオミ)、OPPOなどの中国企業が躍進している。京セラの山口悟郎社長も「スマホメーカーの勢力図が変わりつつある」と推測する。アップルによる減産の影響で電子部品各社の業績はやや苦しんだが、中国スマホの需要を取り込むことでカバーしつつある。

最終更新:8月26日(金)7時44分

ニュースイッチ