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ティアックのアナログプレーヤーで、お気に入りのレコードをデジタル化して持ち歩こう

Stereo Sound ONLINE 8/26(金) 12:30配信

USB DACやAVアンプと連携もOK

 ここへ来て再びアナログレコードに注目が集まっている。その動向を後押しするように国内外のブランドからアナログプレーヤーの新製品が相継いで発売されている。

 そんな中、2月上旬にティアックから発売されたのがここでご紹介するTN-570だ。

 TN-570はベルトドライブ方式で外観こそオーソドックスながら、極めてユニークで斬新な機能が盛り込まれている。

 本機はMM型対応のフォノイコライザーアンプを搭載しているので、フォノ非対応のアナログアンプに接続が可能。背面スイッチを切り替えてフォノ機能をオフにすれば、フォノ対応のプリメインアンプとも組み合せられる。

 斬新なのはUSB端子のデジタル出力に加え、光デジタル端子を備え192kHz/24ビットのデジタル信号を取り出せること。これは本機が昨今お馴染みとなったUSB DACやAVアンプと連携が図れることを意味する。

レッド・ツェッペリンやクイーンを聴く

 まずはTN-570の基本性能を探るべく、内蔵フォノイコライザーアンプを活かし、ティアックのプリメインアンプAX-501とアナログケーブルで接続して聴いた。



 レッド・ツェッペリンのLP『聖なる館』(2014リマスター)から、冒頭「永遠の歌」を聴く。ジョン・ディヴィス・カッティングによる本盤は、やや中域重視のCDより全帯域に神経の行き届いた音が印象的だ。この感触ならアナログ盤特有の濃密サウンドが存分に楽しめそうだ。

 次に同じ「永遠の歌」をティアックのUSB DAC/UD-503に光デジタルケーブルで接続すると、すっきりと伸びた音像が提示された。

 本機は背面スイッチで、デジタル出力を48kHz/96kHz/192kHzと3段階に切り替えられる機能を搭載している。ヘッドフォン・リスニングでは192kHz出力が一番情報量が多く感じられるが、スピーカー聴取ではサンプリングレートが高いほど音像が総じて引っ込んで聴こえた。



 続いてクイーン『オペラ座の夜』(2015リマスター)から、「デス・オン・トゥ・レッグス」をデジタル接続で試聴。本盤は英国ロンドンのアビイ・ロード・スタジオでハーフ・スピード・カッティングにより制作、音の情報量が従来の各種LPより格段に多いのが特徴だ。

 ただし、192kHz出力では本盤がカラーヴァイナルのためかやや雑音が過多になるので、96kHz出力の状態で聴いた。96kHz出力では耳触りだったサーフェイス・ノイズがスーッと収まり、音楽の旨味が引き出されてくる。

 続いて、アナログ接続に切り替えると、グッと重心の低いバンド・アンサンブルが奏でられ引き込まれてしまった。試聴を始めてから70分程度経過するとプレーヤーと周辺機器が本領を発揮し始めたのか、奥行き方向の見通しががぜん良好になってきた。この再現性は正直なところ、ハイレゾ音源ではなかなか享受がしづらい。

 本盤はオリジナル・アナログ・マスターから96kHz/24ビットのデジタルファイルを制作、そのデータからハーフ・スピード・カッティングでアナログ盤が制作されているが、彫りが深く浸透力の高い音があっさりと聴取できて驚かざるを得ない。



 次に英国アコースティック・アーツ・ブランドが展開するLPシリーズ『Uncompressed World~Audiophile Voices』をデジタルおよびアナログ接続で続けて試聴。コリン・メイ、アンドレア・ゾーン、リディア・グレイ(ベティ・ジョンソンの娘)ら15人の女性ヴォーカリストの澄み切った歌を全15曲収めた本作は、2枚組仕様の重量盤(プレスはドイツ)。

 真空管マイクを採用した曲やオートチューンに抵抗した曲など、レコーディング時から細部にこだわった曲の数々が、コンプレッサーを施さない生々しいサウンドで奏でられる。驚異的にS/Nが高い本盤は、オーディオファン必聴のLPと断言したい。

 続いてUD-503にデジタル出力でつなぎ、192kHzモードで聴いた時は、いい意味でアナログ盤を聴いていることを忘れてしまうほど高品位な音が立ち現われた。アナログ盤の不得意な内周部を避け、極力外周寄りに音溝が刻まれたカッティングが功を奏しているようだ。

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最終更新:8/26(金) 17:59

Stereo Sound ONLINE