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日産やソニーは撤退するけど、リチウムイオン電池の部材メーカーは中国市場で攻勢

ニュースイッチ 8月26日(金)8時16分配信

EV需要にらみ能力増強相次ぐ

 素材大手各社は世界最大の電気自動車(EV)生産国である中国をにらみ、リチウムイオン二次電池(LIB)部材事業を拡大する。旭化成や三井金属、クレハが現地生産などを検討し、帝人や昭和電工は既存拠点の増強を計画。大型LIB部材の世界市場は今後10年で約6倍に伸びると予想され、中国のEVなど次世代車需要がけん引しそう。主要部材は日本勢が依然強く、日米欧や韓国に比べて手薄だった巨大市場で体制整備を急ぐ。

 旭化成は2018年度までに中国でLIB用セパレーター(絶縁材)の後加工工場を複数新設する。日米で生産した母材を現地顧客の要望に応じて切断する。需要が急拡大する中で、切断してから中国へ輸出していては間に合わないためだ。投資額はそれぞれ10億円程度と見られる。

 三井金属は中国でニッケル―マンガン―コバルト(NMC)の三元系正極材料を生産する方針を固めた。当面は現地の正極材メーカーと協業し、事業基盤を構築する。19年内に年1万トンのNMCの共同生産を目指す。生産高が目標水準に達したら、協業先との資本提携も検討する。

 クレハはバインダー(接着剤)需要の拡大を受け、中国に技術センターを立ち上げる検討に入った。海外では初の拠点となる。電池メーカーごとに異なる正極・負極材料とバインダーの組み合わせを提案し、電池メーカーが求める性能を引き出せるようにする。

 帝人は韓国でLIB用セパレーター増産の検討に入った。中国に工場を新設する選択肢も残すが、拡張余地がある韓国拠点の増強が有力だ。20億―30億円を投じ、年産能力を現状比50%増の5400万平方メートルに拡大すると見られる。

 昭和電工は16年末までに国内工場の製造設備を増強し、カーボン負極材の年産能力を同50%増の1500トンに引き上げる。また、6月から中国での委託生産も開始した。

2020年までは安定成長!?

 中国は政府補助金を追い風にEVバスなどの販売が急増している。20年までは補助金が継続されると言われ、今後もLIB関連産業の主戦場となる見込み。

 一方、EVメーカーの米テスラ・モーターズは20年の年産台数を15年比20倍の100万台に増やす計画。日米欧の自動車大手も世界的な燃費規制の厳格化を踏まえ、EVやプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の開発を進めるなど新段階を迎えている。

<解説>
 スマートフォン向けなどに搭載するLIBはメーンの供給先だった韓国企業からの引き合いがやや弱いようだ。コスト競争力をつけている中国メーカーに、民生用LIBの生産がシフトしている。

 車載向けで中国のEVはバス市場が伸びている。中国政府のエコカー補助金により2020年までに累計500万台を普及させる目標で、15年までの50万台の目標はほぼ達成されたと言われている。補助金は2020年に終了するため、21年以降の市場予測は見方が分かれるが、部材メーカーにとって商機があるのは間違いない。

最終更新:8月26日(金)8時16分

ニュースイッチ

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