ここから本文です

日本のナノテク研究が後退している? 横断的な組織不在の“オールジャパン”に黄色信号

日刊工業新聞電子版 8月26日(金)13時42分配信

“ナノテク大国・日本”にナノテクの学会なし

 夏の花火大会シーズンも残りわずか。夜空に咲く大輪は科学技術の結晶でもある。花火の色や明るさは火薬に詰める金属の種類で変わり、形の表現には高度な設計が求められる。花火玉には多くの繊細な技術がつまっている。花火をミクロの科学とすれば、ナノの科学がナノテクノロジー。1ナノメートルは髪の毛の5万分の1の細さという極微の世界だ。かつて米国では、1個の角砂糖に図書館が収まるといううたい文句で推進された。

 日本はカーボンナノチューブなど代表的なナノテク材料を世に出してきた。そうした自負の半面、アジアのナノテク研究は中国や台湾などに拠点が移ってしまった。

 仙台で開かれていた同分野の世界最大の国際会議が25日、閉幕した。日本での開催は11年ぶり。というのも日本にナノテクの学会がなく招致活動が「一筋縄ではいかなかった」と、組織委員長で東北大学教授の寒川誠二さんは漏らす。

 ナノテク先進国の米国は、社会への“出口”をまず考え、それに沿って多様な分野の研究者が連携する。一方の日本は、今でも分野ごとに懸命に出口を模索している段階だ。多様な技術を融合すればこそ、いずれ花開く。日本でナノテクが大輪を咲かせる日はいつになるのか。

最終更新:8月26日(金)13時42分

日刊工業新聞電子版

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]