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「新社長インタビュー」〈大阪チタニウムテクノロジーズ・杉崎康昭氏〉=価格競争力武器にシェア拡大

鉄鋼新聞 8月26日(金)6時0分配信

――まずは抱負から。
 「どのような環境でも安定的に収益を確保できる体制を整えるとともに、スポンジチタンのトップメーカーとして市場でのプレゼンスを誇示し、持続的に成長できる企業を目指したい」
 「まずは、現中計で掲げた業績目標(営業利益63億円など)の実現に向け、これまでの経営方針を継続しながら、目標達成に注力する。長期的な視点に立ち、顧客との関係を戦略的パートナーシップへと深化させ、さらなるシェア拡大を目指したい」

――スポンジチタン事業の現状は?
 「成長の核となる事業であり、高品質な製品を安定供給できるのが当社の強み。これまでは、これが評価され、顧客の信頼を得ることができた」
 「当社が主力とする航空機分野向けチタンは、長期的な拡大が見込める有望な市場だ。しかし、生産能力が過剰という問題を抱えている。航空機向けスポンジチタンの世界生産能力は15万トンあると見られるが、需要は半分程度しかない。在庫調整は一巡したようだが、需給バランスが大きく崩れてしまっている。ギャップ解消には、少なくとも中長期という時間がかかりそうで、しばらくは価格低迷が続かざるを得ない」
――どう対応しますか。
 「当社はこれまでも合理化によるコスト削減を徹底してきた。そのため、過去に操業度が低迷した時も収益を確保できた。現在の操業度は高く、生産効率のさらなる改善に取り組めば、コストをさら低減できるはず。自信もある。『高品質』『安定供給』に加え、価格が低迷する市場でも通用する価格競争力を武器に、シェア拡大を進めたい」
――このほかに取り組みたいことは?
 「価格競争力を高めるだけでなく、非価格競争力の向上にも挑戦する。たとえば、航空機向け低廉スポンジチタン(SQグレード)をメニュー化するなどVA提案に取り組んできたが、顧客との関係をより戦略的なものに進化させる。顧客の品質保証・物流システムにサプライチェーンとして当社が参加できれば、一貫システムによる効率化などが提案できる。こうした仕組みづくりにも挑戦したい」
――16年4~6月期決算は営業赤字となりました。
 「出荷時期のずれなどが影響したものだが、今年度の出荷は下期が多く、通期販売量は予定通りと見ている。足元の操業度は93%程度で、今期は同じような高操業度を維持したいと考えているが、今後17年以降の需要動向を見通した上で、操業水準を決めたい。ただ、為替・原材料価格・原油価格という不確定要素がある。すでに為替は想定を上回る円高。影響が大きく、計画していた以上のコスト削減に取り組む必要に迫られている」
――ポリシリコン事業はどうか。
 「シリコンの需要は、チタン同様、長期的には増えると考えている。これから自動車の自動運転化などで半導体需要はますます増える。当社は昨年、生産トラブルがあり、予定した数量を生産できなかった。それも改善したので、リカバリーできるよう増産する。品質・安定供給を最優先にして取り組みたい」
――設備投資は?
 「前期投資額は22億円。今期は33億円を予定している。当面、投資額は減価償却の範囲内にとどめたいと考えている。当社の有利子負債は約450億円で、DEレシオは約1・3になる。やはり1以下にしたい」
 「また、チタン事業は尼崎工場に集約されており、限界はあるが、生産性を向上できる余地はまだ残っている。次期中計期間中(18~20年度)も、生産性を高めれば、現行体制でもニーズに対応できるのではないか。懸案である海外進出も検討はするが、国内工場がフル生産するのが前提だ」(宇尾野 宏之)
プロフィール
 好きな言葉は、最後まで誠意を貫くという意味の「至誠一貫」。高校の校訓だったという。趣味は読書のほか、ドライブやウォーキング。神鋼時代は一貫して研究部署を歩んだ。表面処理の研究に取り組んだほか、ハイテンや自動車向けアルミ板など様々な研究・開発に従事した。チタンの研究にも携わっている。
略歴
 杉崎 康昭氏(すぎざき・やすあき)86年(昭61)東北大大学院工学研究科博士課程修了、88年神戸製鋼所入社、04年技術開発本部電子技術研究所長、06年同材料研究所長、11年執行役員、13年常務執行役員技術開発本部長、14年常務取締役、15年専務取締役、16年4月大阪チタニウムテクノロジーズ顧問、同年6月現職、57年5月生まれ、59歳。静岡県出身。

最終更新:8月26日(金)6時0分

鉄鋼新聞

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