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アクセサリーブランド「L.CHANCE」はなぜ倒産に追い込まれたのか

ニュースイッチ 8/26(金) 21:06配信

店舗拡大に人材追いつかず。社長の死去で行き詰まる

 アートアンドクラフトは、1978年12月にアクセサリー卸業者として設立。順調に売り上げを伸ばすと、2001年には堺市のショッピングモール内にアクセサリーショップ「L.CHANCE」を開店し、小売業に進出する。

 10代―20代の女性向けに、廉価なリング、ブレス、ピアスなどのアクセサリー、雑貨を取り扱っていた。その後、大型商業施設内への出店を加速。さらに東京の有名ファッションビル内に開店すると、アクセサリーブランドとしての知名度を高めていった。09年には全国に72店舗を展開し、ピークとなる10年5月期には売上高約39億5700万円を計上した。

 この時期には株式公開の計画が持ち上がるなど、事業は順風満帆に見えた。しかし、この性急な新規出店があだとなる。店舗拡大に人材育成が追いつかず、複数の店舗で売り上げが伸び悩み、不採算店が増加。

 このため、拡大路線からの変更を余儀なくされ19店舗を閉鎖。出店費用を金融機関からの借り入れに依存しており、その返済に加え、閉店費用がかさんだことで経営は大きく悪化した。

 ピークからわずか2年後の12年5月期には、売上高は約28億3000万円に落ち込み、6億6000万円の最終赤字に転落、債務超過に陥った。社債を含む有利子負債は18億円超と財務体質は大幅に悪化。このため、金融機関へリスケを要請し、再建を図ることとなった。

 しかし、その後も経営が上向くことはなかった。数期にわたり減収が続き、15年5月期に売上高約21億4400万円まで落ち込むと、収支は成り立たず債務超過が拡大。同業他社への事業売却を模索していた矢先の今年5月19日、唯一、経営全般について把握していた代表取締役の櫻井浩司氏が病気で死去したことで経営は破綻。6月15日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。

<企業概要>
(株)アートアンドクラフト
住所:大阪市中央区南船場4-7-22
代表:櫻井浩司氏(死去)
資本金:1000万円
年売上高:約21億4400万円(15年5月期)
負債:約18億7800万円

帝国データバンク情報部

最終更新:8/26(金) 21:11

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