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「生命存在可能な」惑星、太陽に最も近い恒星系で発見

AFPBB News 8月26日(金)15時42分配信

(c)AFPBB News

【8月26日 AFP】太陽に最も近い恒星を公転している地球と同等の大きさの惑星を発見したと科学者らが24日、明らかにした。発見された惑星は、地球外生命体が存在できる環境についての輝かしい見通しを開くもので、また将来的に無人機によって探査できる可能性もある。

「プロキシマb(Proxima b)」と命名されたこの惑星は、生命の基本要素である水が液体で存在できる「温暖な」領域内に位置している。16年間にわたり収集された観測データに基づく今回の研究成果をまとめた論文は、査読審査のある英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 論文の共同執筆者で、仏モンペリエ大学(University of Montpellier)の天体物理学者のジュリアン・モラン(Julien Morin)氏は、「岩石質である可能性が非常に高い小質量の惑星が、太陽系に最も近い恒星を周回していることをようやく証明できた」としながら、また「プロキシマbは、人間が作った探査機が訪れる最初の系外惑星になるだろう」とAFPの取材に語った。系外惑星とは、地球がある太陽系の外に存在する惑星のことだ。

 論文の主執筆者で、英ロンドン大学クイーンメアリー校(Queen Mary University of London)の天文学者のギエム・アングラダ・エスキュデ(Guillem Anglada-Escude)氏は、今回の発見について「生涯にまたとない経験」と表現した。

 南米チリ北部の砂漠地帯にある欧州南天文台(ESO)の望遠鏡で観測を行ったアングラダ・エスキュデ氏の研究チームは、プロキシマbを検出してその性質を説明するのに「ドップラー法(視線速度法)」と呼ばれる手法を使用した。

 天文学者チームは今年、主星のプロキシマ・ケンタウリ(Proxima Centauri)が惑星の重力で引っ張られていることを示す証拠を見つけるために60日を費やした。その中で、11.2日ごとに繰り返される恒星の光スペクトルの定期的な変化を観測し、期待の持てる手掛かりを得た。

 これを分析した結果、恒星が時速5キロほどのゆっくりした速度で、太陽系から見て近づいたり遠ざかったりの運動を交互に繰り返していることを、研究チームは突き止めた。

■生命居住可能領域

 確定的ではない2000~2014年の観測データとの照合を行い、その他の考えられる要因を排除した後、研究チームはこの微小な前後運動が、周りを公転している惑星の引力が原因で起きていると断定した。

 記者会見に応じたアングラダ・エスキュデ氏は、「統計的に、疑いようがない。プロキシマ・ケンタウリを周回する惑星が発見された」と述べている。

 プロキシマbの太陽系からの距離は4光年。銀河系のスケールで考えると、これはまさに「すぐ近く」にあることを意味する。

 プロキシマbは、質量が地球の約1.3倍で、主星から約700万キロ離れた軌道上を公転している。これは、太陽と地球との距離の21分の1程度だ。通常、主星にこれほど近い距離にある惑星では、その環境は生命の存在することのできない灼熱のものになると考えられる。

 だが、プロキシマ・ケンタウリは赤色矮星で、その温度はより低温だ。その結果、この新発見の惑星は、水が蒸発するほど高温ではなく、氷結するほど低温でもない最適領域「ゴルディロックス・ゾーン(生命居住可能領域)」内にあることになる。

 だが、生命の誕生に不可欠な要素の一つとされる大気をこの惑星が持つかどうかは、現時点ではまだ不明だ。

 論文の共同執筆者で、独ゲッティンゲン大学(University of Goettingen)宇宙物理学研究所の「低温」の星の専門家、アンスガー・ライネルス(Ansgar Reiners)氏は記者団に対し、大気があるとした場合のコンピューターモデルでは、プロキシマbの温度は「主星の光が当たらない影の側でマイナス30度、光が当たる明るい側が30度の範囲にある」可能性があることが示唆されていると語った。

 地球に対する月の状況と同様に、プロキシマbは「潮汐力で固定」されているため、表側だけが常に主星の光にさらされ、裏側は永続的に影になる。

■生命探査の可能性

 系外惑星は、1995年の観測でその存在が初めて確認されて以降、これまでに約3500個見つかっている。

 これら遠方の惑星の多くは、木星や海王星のようにガスでできており、生命が存在できるような環境ではないとされている。また、岩石質の表面を持つ系外惑星は全体の10%に上るが、その大半は低温または高温すぎて水が液体の形で存在することができない。

 そして、これまでに見つかった「温暖な」領域にあるほんの一握りの系外惑星は、事実上、人が到底アクセスできない距離にあるものばかりだった。

 例えば、米航空宇宙局(NASA)が2015年に発表した系外惑星「ケプラー452b(Kepler 452b)」は、地球の1.6倍の大きさで、活火山、海、そして太陽光と同様の日照もある可能性が指摘され、またその公転周期の1年は385日に相当すると考えられている。だが、地球からの距離は1400光年で、人類が近い将来にこの地球にうり二つの惑星に到達することは望み薄だと考えられる。

 それに比べて、プロキシマbは目と鼻の先ほどの距離にある。だがそれでも、人が現世代の化学燃料ロケットを使って訪れるには遠すぎる距離だ。

 ライネルス氏は、「今後の観測について考えると…これは天文学者にとっての夢だ」とコメントしている。(c)AFPBB News

最終更新:8月26日(金)16時58分

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