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障害者アートを名刺に 「セルプきたかせ」幸区・通所施設が販売

カナロコ by 神奈川新聞 8月26日(金)17時17分配信

 障害者通所施設「セルプきたかせ」(川崎市幸区北加瀬)が利用者4人のアート作品をデザインに採り入れた名刺の販売を始めた。4人は障害者の美術作品を管理する全国組織の登録作家でもあり、いずれも独創的な色彩が魅力ある仕上がり。同施設は「名刺交換のときにデザインの素晴らしさを会話のきっかけにしてもらえれば」と話している。

 同施設は一般企業への就労が困難な人に作業機会を提供する就労継続支援B型事業所(非雇用型)。社会福祉法人長尾福祉会が運営し開所10年目を迎えた。

 主に知的障害のある71人が通い、ベーカリーやカフェ、クリーニング、文具・工芸品づくりなどに従事。自分なりの働き方で貢献し、施設は商品の販売や請負で得た収入から工賃(賃金)を支払っている。

 全国平均で月額1万4千円台と低い工賃の引き上げは施設共通の課題だが、アート名刺は商品の付加価値を高めて所得向上を目指す試み。デザインに作品を採用した作者には年間使用料を支払うほか、裁断や箱詰めなどに関わった利用者にも個性的な商品による販売増で工賃アップを目指す。

 名刺は半澤真人さん(40)の作品を裏面に印刷した「factory」、清井了支さん(24)の「yellow-dot」、平田貴子さん(27)の「colors」、宮本憲史朗さん(26)の「ore」の4タイプ。絵画活動の時間に自由に描いた絵の中から名刺に合うものを施設職員が選んだ。

 4人はNPO法人「エイブルアート・カンパニー」(東京)の登録作家(全国の登録数104人)。同法人は作品を管理し、商品や広告のデザインに使う企業から著作権使用料を受け取り、作家に支払う活動を展開している。

 工場配管の描写が面白い「factory」を描いた半澤さんは「工場を見るのも描くのも好き。自分の絵が名刺になってうれしい」と喜ぶ。同施設は「純粋にデザインの良さを感じてもらえると思う。名刺を渡したときに実は川崎の施設が頑張っていることも話題にしてもらえればさらにうれしい」と話す。

 1セット100枚2千円。問い合わせは、同施設電話044(580)3080。

最終更新:8月26日(金)17時17分

カナロコ by 神奈川新聞