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10億円の用途は特定されないという韓国、統制するという日本

ハンギョレ新聞 8/26(金) 7:25配信

外交部の「事業概要」には 「財団の事業は財団が決定 20%は象徴的事業に使用」 日本外務省「財団の事業」には 「両国政府が合意する範囲内で 医療・介護・葬儀・奨学金など」 支援対象は同一 「生存者に1億ウォン、死亡者に2000万ウォン」

 韓日両政府は、韓国政府に登録している日本軍「慰安婦」被害者245人を対象に、生存者には1億ウォン(約900万円)、死亡者の遺族には2000万ウォン(約180万円)の範囲内で原則的に現金を支給する支援事業を行うこととした。必要な財源は、韓日政府の12・28合意の履行のために韓国政府の主導で設立した「和解・癒し財団」(財団)に日本政府が24日に拠出を決定した10億円(111億ウォン)だ。

 外交部が25日に公開した財団の「事業概要」によると、具体的な事業は「個別被害者を対象とした事業、財団の目的と照らし合わせ適切と判断されるすべての日本軍慰安婦被害者のための事業」の2つに分けられる。支援対象の「個別被害者」とは、政府に登録した245人(代理人を含む)に限定される。合意日の昨年12月28日基準で、生存者46人(合意後の死亡者6人を含む)には各1億ウォン、死亡者199人には各2000万ウォン規模で「名誉と尊厳の回復および心の傷の治癒のための現金支給」事業を施行する予定だ。

 外交部当局者は「10億円のうち約80%は個別被害者の支援に使われる予定であり、残りの約20%はすべての慰安婦被害者のための象徴的事業に使われるだろう」と話した。同当局者は「象徴的事業」に関して「(未来世代のための)教育事業も含まれる可能性が十分にある事業」と話した。

 この日ハンギョレが入手した、日本外務省アジア大洋州局名義の「日韓合意に基づく財団事業」という資料によると、韓国外交部の資料と支援対象は同じだ。だが、財団の具体的な事業内容と10億円の用途については、韓日政府の資料間に説明の違いが目につく。日本政府は「両国政府が合意する用途の範囲内で資金が支出される。予想する用途は医療、看護、葬儀関係費、親族の奨学金など」と明らかにした。一方、韓国外交部の資料は「財団の事業は両国政府により適切と判断される範囲内で財団が決定する」とし、用途を特定していない。「両国政府の合意」(日)と「財団の決定」(韓)の間で強調点に差がある。外交部当局者は「財団が被害者の需要と希望をもとに『オーダーメード型』で支援することになる」と話した。しかし、このプロセスで用途を明確に提示せよという日本側の問題提起により、財団側と被害者の間に摩擦が起きる可能性もある。財団は事業の実施内容を韓日政府に定期的に報告する義務がある。

 日本政府がそれなりにややこしい手続きをまとめた理由は2つあると見られる。第一は、10億円が「賠償金」または「事実上の賠償金」と認識される事業に使われないよう、細かく用途を把握しようという判断が背景にあると思われる。第二に、日本政府は10億円の一部が、被害者ハルモニ(おばあさん)を通じて韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)など慰安婦問題支援団体に流れる可能性を強く警戒しているという。日本で代表的反日団体と見られている挺対協に10億円が流れたとなれば、安倍政権は日本国内の非難に直面しかねない。

 キム・ボクトンさんなど挺対協の憩いの場とナヌムの家で暮らすハルモニたちを中心に、12・28合意拒否と無効化を要求してきた少なくとも10数人の生存被害者は、財団の支援事業を拒否することが明らかであり、これについてもまた議論が予想される。

イ・ジェフン記者、東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:8/26(金) 7:25

ハンギョレ新聞