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豊かな能登で再犯防ぐ 県警少年課「あすなろ塾」の地域拡大

北國新聞社 8月26日(金)2時42分配信

 石川県警少年課は今秋にも、非行少年の立ち直りを支援する「石川っ子あすなろ塾」の活動の場を能登へ拡大する。これまでは金沢市内で農作業などに取り組んでいたが、能登の豊かな自然や人情味あふれる住民との交流を、少年らの健全な心身を育む一助とする。支援しても再び非行に走る少年が少なくないため、内容の充実を図る考えで、今後、県内各地で活動することも検討している。

 あすなろ塾は県警に摘発・補導された過去を持つ少年が対象となる。少年が再犯しないように不良仲間との関係を断ち切り、新しいコミュニティー作りを手助けしようと、2010(平成22)年から実施されている。現在は月に1回程度、金沢市内の農園で農作業やかかし作りに取り組んでいる。

 計画では、穴水町で能登ワインの原料となるブドウ栽培やカキの養殖場の見学、トラクターの乗車、漁船で海に繰り出しての釣り体験などを行う。地元女性が作る能登の旬の食材を使った昼食も味わう。当日は、年齢の近い金大や金沢星稜大の学生もボランティアで参加する。

 能登でのあすなろ塾開催は、キリコ祭りへの学生派遣やゼミの現地学習に取り組む金沢星稜大の池田幸應教授が県警少年課に提案し、地元との仲介役を務めている。

 池田教授は「心を閉ざしている子どもたちも能登の開放的な空気に触れて、素直な気持ちを話してくれるようになればうれしい」と話し、県警少年課の川之上忠博次席は「いつもより長い時間をともに過ごすことで、関係をより深いものにしてほしい」と期待した。

 県警少年課によると、刑法犯で摘発・補導した少年は2011年度で680人だったが、昨年度は342人に半減した。あすなろ塾では、11~15年の5年間で52人の立ち直り支援を行っており、支援中に再び非行に走った少年は18人だった。

北國新聞社

最終更新:8月26日(金)2時42分

北國新聞社