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テレビCMを打たないビール? 「グランドキリン」の戦略とは クチコミ最重視、イベント通じて草の根運動

withnews 8月28日(日)7時0分配信

 「グランドキリン」というビールを知っていますか? コンビニ限定で販売されているクラフトビールで、「あえてテレビCMを打たない戦略」で認知度アップを図っています。ビール会社といえば屈指の広告主というイメージがありますが、なぜこのような戦略をとっているのか? キリンのデジタルマーケティング部・加藤美侑さん(32)に話を聞きました。

【写真】グランドキリンを担当している加藤美侑さん(32)。ファンが集ったイベント「びあのわ」の様子も

グランドキリンとは

 グランドキリンは、キリンビールが販売しているクラフトビールです。クラフトビールとは一般的に、小規模生産で作り手の顔が見え、素材や製法にこだわった手工芸品(Craft)のようなビールを指します。

 ビールの個性を左右するホップを、仕込み段階だけでなく醗酵の段階でも漬け込む「ディップホップ製法」がグランドキリンの特徴で、複雑な香味を引き出しているそうです。

 2012年にセブンイレブンで先行発売され、2015年から全国のコンビニに拡大。今年9月からはスーパーや量販店での販売も開始します。

 20代後半~30代の男性を主なターゲットとしており、2015年にはブランドの認知度を拡大するためにテレビCMも展開。しかし、この1回だけでやめて、それ以降はクチコミ重視の戦略に転換しています。

 ビールといえばテレビCMの印象が強いですが、あえてそれをやめた理由は何なのか? グランドキリンなどのデジタルコミュニケーションを担当している加藤さんに話を聞きました。

担当者に聞きました

 ――テレビCMを打たない理由を教えて下さい

 「過去にテレビCMを打ったこともありますが、認知率などの効果が限定的だったため戦略を見直しました。カテゴリーやブランド特性に合わせたPRを考えたときに、他のナショナルブランドのように『認知→購買』という流れになりづらく、直接体験できる機会を設けたり、デジタル施策をしたりといった方が親和性が高いと考えました」

 ――日本のビール市場の現状と関係があるのでしょうか

 「ビールの出荷量は、ピークだった1994年に比べると約4分の3ほどになっています。減った要因はいくつかあると考えていますが、お客様のライフスタイルや嗜好の多様化などに対し、メーカーが『ビールの魅力』を提案できていなかった面もあります」

 「テレビCMを打たない戦略は、市場の現状よりも、クラフトビールの特性の方が関係があります。クラフトビールは、様々なビアスタイル、味の多様性など選ぶ楽しみがあり、これまで知らなかったビールの世界を広げることが出来ます。まずは商品を手に取っていただくために、体験を通じて知的好奇心をかきたてる施策の方が、テレビCMよりも効果的だと考えました」

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最終更新:8月28日(日)7時0分

withnews