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モンゴル経済危機に直面 IMFと緊急援助の交渉中、S&Pは信用格下げ

ZUU online 8月27日(土)17時10分配信

モンゴルの経済が過去5年間で激しく浮き沈みした結果、現在国際通貨基金(IMF)とベイルアウトの交渉中であることが、複数のメディアの報道から明らかになった。

急成長を見せていたコモディティー依存国だけに、中国、ロシア経済の失速に大きく足元をすくわれ、総額50億ドル(約5019億円)の負債返済に首が回らなくなっているという。
しかし巨大鉱山、炭鉱プロジェクトが進行していることから、将来的な経済復興に期待を持てる局面も指摘されている。

■金利引き上げ効果なし S&Pは信用格下げ

2012年に発行した15億ドル相当の「チンギス債(ソブリン債)」の償還が、今後数年間に迫っているモンゴル政府。2018年には5億ドル(約1506億円)、2022年には10億ドル(約1004億円)を準備する必要に迫られている。

自国が金融危機に瀕している事態を認めたチョイジルスレン・バットゴトク財務大臣は、 モンゴル貿易開発銀行の5億8000ドル(約501億9080万円)の返済期限も来年に控え、モンゴル政府が抱える負債総額は50億ドル(約5019億円)に達していると報告した。

コモディティー依存国の一つであるモンゴル経済は、2011年には17%という飛躍的な伸びを記録したにも関わらず、中国、ロシア経済冷え込みをまともに受け、状況は一転。

政府は自国通貨を保護する目的で、今年5月に借入金利を10.5%から15%に引きあげるなどの手段を投じたが、期待通りの効果をあげず、財政は悪化の一路をたどっている。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8月19日、モンゴルの格付けをBからマイナスBに降格。かろうじて「安定」を維持しているものの、「モンゴルの財政赤字が予想よりも深刻化している」との警告を発している。

■オユトルゴイ鉱山、南ゴビ炭鉱の完成に期待

モンゴルの短期的な成功は、豊富な自然資源に起因するものだった。赤銅鉱から携帯電話、パソコンなどのIT、通信機器に使われる希少価値の高い紛争鉱物まで、多様な自然資源の宝庫として、世界中の投資家を魅了した。

しかし最大に取引国だった中国が失速したことで、風向きが完全に変わる。市場シェアの4割以上を赤銅鉱、そのほか石炭、石油、鉄、金が各1割前後占めていたモンゴルにとって、賭け金をすべて一枚の馬券に投じてしまったようなものだ。

また「モンゴル政府のバブルぶりも負債を膨張させた原因だ」と指摘する専門家もいる。
自国の経済成長が近隣国に大きく依存したものだという自覚がないままに、政府が湯水のごとく散財した結果、2010年には26%程度だった負債の対GDP比率が、わずか5年間で73%近くに跳ねあがった。

強力な対策が投じられないまま月日が経過した場合、2019年には90%を超えると懸念されている。

しかしモンゴルでは経済の復興に貢献するであろう2大プロジェクトが進行中であることから、何らかの希望が残されているとS&Pは見ている。

54億ドル(約5423億2200万円)を投じたオユトルゴイ鉱山の建設が2020年までに完了する予定であるほか、南ゴビでは40億ドル(約4017億2000万円)の炭鉱開発が進められている。

モンゴル政府が危機に直面している経験から、今後のために学びとる必要がある事柄は非常に多いはずだ。(ZUU online 編集部)

最終更新:8月27日(土)17時10分

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