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大熊、全町有地提供方針 除染廃棄物早期搬入へ

福島民報 8/27(土) 11:30配信

 東京電力福島第一原発事故に伴う中間貯蔵施設整備で、福島県の大熊町は建設予定地内にある全ての町有地を環境省に提供する方針を固めた。対象面積は約95ヘクタールで町内の建設予定地の約1割を占める。地権者交渉が難航する中、住民帰還が始まる前に除染廃棄物を可能な限り搬入する環境を整える狙いがある。9月にも町議会に示した上で町民に説明する予定だ。
 大熊町が環境省に提供するのは、すでに学校施設から除染廃棄物の搬入を受け入れているスポーツ施設「ふれあいパークおおくま」内の1ヘクタールを含めた学校の校庭、公民館や町営住宅のグラウンドなどで町内に点在している。いずれもまとまった広さがあるため、除染廃棄物の分別や研究関連などの施設を整備する候補地になるとみられる。
 環境省は町有地を買収する方針だが、町は貸し出した上で、除染廃棄物の保管が終了した後に再利用する案も含め慎重に検討を進めている。9月定例町議会の閉会後、議員全員協議会で方針を示す。町民には今秋に開催を予定している町政懇談会などで説明し、理解を求める。
 環境省は今年に入り、中間貯蔵施設の整備促進に向け大熊、双葉両町に町有地の売却を打診した。大熊町は「町が交渉を始めれば、契約に慎重な地権者をあおっていると受け止められる」として方針を明示していない。
 一方、町は町西部の大川原地区に復興拠点を設け、平成30年度に帰還を始める目標を掲げている。この時期に、除染廃棄物を積んだ大型車両が町内をひんぱんに行き交う状況となっていれば町民の帰還意識を損なう可能性があると判断。帰還開始前にできる限り搬入を終えるため、早期の施設整備に向け環境省に協力する方向となった。
 双葉町は今月開かれた町議会全員協議会で、学校で一時保管されている除染廃棄物の保管場として建設予定地内の町有地を環境省に提供する方針を示し、了承された。町はどの町有地を対象とするか同省と協議している。

福島民報社

最終更新:8/27(土) 11:50

福島民報