ここから本文です

【BARKS編集部レビュー】カナルワークスCW-L33LV、ライブの興奮そのまんま

BARKS 8/29(月) 12:47配信

「今、一番低音がバシバシ出るカスタムIEMは?」と聞かれれば、フルダイアルのJH Audioロクサーヌでもなく、今さらHeir audio 8.Aでもない。そう、答は“カナルワークスCW-L33シリーズ”である。

◆CW-L33LV画像

弩級の重低音を生み出す独自開発の高次音響フィルターを搭載したCW-L33BBが登場したのは、今から1年前の2015年7月だった。重低音を思う存分叩き出せるというあまりに特殊な性格ゆえ、機能特化タイプとしてEDM向けとアナウンスされたモデルだったが、実際に使ってみると意外にも汎用性は広かった。期待通りEDMにしか合わないということもなく、普通にロック/ポップスを聴いてみればバッキンバッキンにビートを押し出しグルービーに音楽を鳴らしてくれるので、むしろどのイヤホンよりも楽しく病み付きになる。こればっかり使っていると他のイヤホンじゃ物足りなくなる高い中毒性もあり、重低音ドーピングがやめられない。高域の抜けも素晴らしいので、類まれ無いハイテンションなカスタムIEMとして、ついつい愛用してしまうモデルのひとつになっていた。

そんな中、次なる低音激震モデルとして登場してきたのがこのCW-L33LVだ。CW-L33BBがEDM向けとされていたのに対し、こちらのLVではロックやポップスをはじめとした広いジャンルの音楽にマッチすべくチューニングが見直されたものという。実際のところ、BBのような数十Hzの重低音ではなく、もう少し上の一般的な低音領域がガシガシ出るようにチューニング変更が加えられている。

結果そのサウンドは、身体全体を震わせるような圧倒的な低音と同時に、金物をはじめとしたキラキラと高域も伸び、そこにボーカルがくっきりと抜けてくるきらびやかな音像となった。それはちょうどライブ会場で聴くサウンドのようなバランスで、会場を埋め尽くす迫力の音をそのままイヤホンで堪能する感覚でもある。型番のLVも、そんな「ライブ会場のようなバランス」を有していることを意味するネーミングのようだ。「ライブ音源を楽しむためのモデル」という意味でも、「ライブ用のモニターとして最適」という意味でもない。ちなみに、実際に某アリーナクラスのハウスエンジニアは、CW-L33LVを視聴するや「これぞまさしく現場のバランスだ」と、速攻オーダーを入れたというエピソードがある。

ベーシックなトーン自体は極めてニュートラルで、クセはまったくない。低域の量感が強いにも関わらずとてもピュアで透明感があることが、汎用性の広さにつながっているようだ。BBにくらべるとLVの方が音空間が開いた印象があり、これほど低域が強いにもかかわらずバランスも模範的に感じてしまう不思議さがある。低域の周波数レンジが広がったことが功を奏し、より硬質でビシバシとキックやベースラインが鳴り、心地よく頭蓋骨を揺らしまくってくれるのがとても心地よい。この気持ちよさは、空気を揺らすような極重低音ではなく、アタックがきっちり伝わる分かりやすい低域の存在感からくるものだ。酔ってしまうようなうねりの重低音ではなく、アタックとスピードに爽快感があるキレッキレの低域は、CW-L33LVじゃなければ味わえないタイトな重低音といえるだろう。

聞く音楽/ジャンルにもよるかもしれないが、BBとLVの印象の捉え方には個人差が大きく出るようにも思う。私の耳では、地を揺るわせるような極悪な極低音をぶん殴られるように楽しみたい人はBBを、普通のロック~ポップスを迫力の低域を遠慮無くガッツリと堪能したいと思えばLVがいいのではないか。アクの強さはBBで、暑苦しさもあるが、それも含めてえげつなくローを楽しめるのは相変わらずBBのほうに分がある。適切なバランスを確保しながらクリアネスを確保したうえで低域をドカドカ楽しむならLVが最高だ。LVには音と音の間にもスキマがあるので、ちょっとすっきりさを感じながらもパンチ力があるという不思議な音像が楽しめる。ウルトラハイの細かいところもよく聞こえるのがLVだ。

いずれにしろ、低音厨の自覚がある人であれば避けては通れないモデルだけれど、実は普通の人にも是非一度聴いてみてほしいというのが本音だ。だって、このバランスこそライブシーンでの標準(=フラット)なサウンドなんだから。インパクトと高テンション、アドレナリンとドーパミンがどっくどっく分泌しちゃっているような興奮と満足感を味わえるのが、CW-L33LVの最大の個性だと思っている。

ちなみに、このフェイスプレートは、左はローズウッド/右はスプルースの単板に白のバインディングセルを巻いたもの。そう、テーマはアコギでございました。CWシルバーロゴが醸し出しているクローム感は…、ペグです。

●カナルワークスCW-L33LV
オープン価格※オフィシャルサイト価格:118,800円(税込)
・ドライバー:バランスドアーマチュア方式(高域×1、中域×2、低域×2)
・インピーダンス(@1kHz):29Ω
・感度(@1kHz, 1mW):113dB
・ケーブル長:127cm
・プラグ:ステレオミニプラグ
・付属品:ハードケース、ソフトケース、ワックスクリーニングツール、クリーニングクロス

最終更新:8/29(月) 12:47

BARKS

なぜ今? 首相主導の働き方改革