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「校外研修」報告内容わずか1行 教員の利用件数、福井県が突出

福井新聞ONLINE 8/27(土) 8:18配信

 公立学校の夏休みなどに、教員が校長の承認を受けて自宅などで行う有給の「校外研修」。福井県は県立高と特別支援学校の教員の利用が多く、その件数は北陸3県で飛び抜けて多い。自宅での校外研修に対しては「実態が不透明」「実質的な有給休暇」との批判が過去にあり、申請書類を詳細な内容を書き込む様式に改め、第三者に分かるようにするのが全国的に主流になっている。一方、福井県の各県立学校では研修内容が1~2行程度のごく簡単な様式が使われ続けている。

 ■わずか1行

 県立高全27校と特別支援学校全11校の研修願・報告書の様式はA4判1枚で、研修目的や報告内容を記すスペースは数行程度。1枚で数日間をまとめて申請できる。

 「『白川文字学漢字素材集』の内容検討と原稿作成」。昨年8月、ある県立高の教員が校長に提出した校外研修願・報告書。7日間と半日を使い、自宅で研修したと記されている。報告欄には「上記のとおり研修しましたことを報告いたします」と1行。何を検討したか、どのような原稿を作成したかの記述はない。

 同校で同じ時期に取得した別の教員16人も研修内容はさまざまだが、報告欄は同様。1人1~18回(半日以下でも1回)の研修をしていた。

 福井県教委によると、昨年の夏休みに校外研修をした県立高校と特別支援学校の教員は計922人、計6424回で、「自宅等」の研修がほとんどだった。中には30回行った教員もいた。

 ■ルール厳格化

 複数の学校関係者によると、完全学校週5日制が始まる2002年度以前は、土曜出勤の代わりに、校外研修扱いにした長期休暇を夏休みに取る例が全国的に見られたという。

 週5日制開始に伴い、文部科学省は長期休校中の教員の勤務管理の適正化を図った。校外研修については02年7月、各都道府県教委に対し▽事前の計画書、研修後の報告書の提出により、研修内容の把握・確認の徹底に努めること▽様式は保護者や地域住民の理解を十分得られるもの―などと各学校に指導するよう通知。第三者にも研修内容が分かり、説明責任を果たせるよう取得ルールを厳格化した形だ。

 県教委は提出書類について「ごく簡単な様式」と認めつつ、研修については「各学校長が適切に判断し、処理している」としている。

 ■自宅研修はゼロ

 他県では、提出書類の様式を改めているケースが少なくない。富山県教委は▽自宅で研修する必然性が分かること▽報告書は1日A4判1枚以上―などとしている。昨年の夏休みの研修利用者は県立学校全56校で20~30人程度としており、福井の利用者の5%にも達していない。

 富山と同様の様式にしている石川県でも、昨年の夏休みは県立学校全56校で、教員10人程度が利用。同県教委は「自宅で研修した教員はゼロ」とする。

 ある県教委の担当者は「内容が中途半端なものは認めないよう、各学校長に厳しく指導している。福井県のやり方は今の時代には通用しないのでは」と話している。

福井新聞社

最終更新:8/27(土) 8:18

福井新聞ONLINE