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ミュージシャンが惚れる歌声、ソウルシンガー鈴木雅之のルーツと魅力とは

MusicVoice 8月27日(土)9時0分配信

 今年ソロデビュー30周年を迎えた鈴木雅之が7月13日に、オリジナルアルバム『dolce』をリリースした。“マーチン”の愛称で親しまれる鈴木雅之は、映画『007』のジェームス・ボンドが好きで、彼が乗っていた英国スポーツカーブランドのアストン・マーチンからそのあだ名が付けられたという。そんな彼は9月22日に還暦を迎える。本作は、節目の年に制作したいわば記念盤で、それを華やかに飾るように、松任谷由実、玉置浩二、久保田利伸、岡村靖幸、谷村新司らが参加している。一見、バラバラに集まったかのように見える“華”たちだがそれぞれに共通点はあるのだろうか。そして、日本を代表する彼ら豪華ミュージシャンが魅せられたソウルシンガー鈴木雅之を生んだ時代背景とは。

ラブソングの色々な姿、鈴木雅之の魅力

 テレビやラジオ、街中にも当たり前のように流れている鈴木雅之の歌声。身近な存在だからこそ、これまで向き合ったこなかった。しかし、30周年に際して作品とじっくりと聴くと、なぜ今までしっかりと聴いてこなかったんだと後悔の念に駆られた。アルバム『dolce』を聴いてなんとも心地よい感覚に陥ったのだ。歌声から情景を映し出せる数少ない歌手の一人だと気づかされた。

 今年9月22日に還暦を迎え、ソロデビュー30周年と2つの“記念事”が重なった。この年を華やかに彩るように発表されたのが今作『dolce』だ。3年ほど前から“還暦ソウル”を構想していたという。その構想が形となり、記念盤としてリリースから1カ月が過ぎた。『dolce』を聴いたリスナーからは「dolceが完璧すぎる」や「貫禄の歌唱を堪能できる一枚」とアルバムの完成度を讃える声が多い。

 この辺は記者の私感になってしまうが、実際に聴いてみると、“ラブソングの王様”とも讃えられるその称号に相応しく、全13曲どの曲も鈴木雅之の魅力を存分に堪能できる仕上がりだ。オープニングを飾るインストナンバー「La dolce vita」から一気に世界に引き込まれ、アルバムを通して聴くとこんなにもラブソングに色々な姿があるのかと驚かされる。

 一枚のアルバムに鈴木雅之の30年が詰め込まれた『dolce』は、芸術性の優れたフランス映画のようにアバンギャルドなラブソング作品といえる。アルバムタイトルの「dolce」には、愛する人へ贈りたいとういう意味も込められていて、鈴木雅之は「一曲一曲の“素材”を鈴木雅之流のレシピで、“ラヴソングのパティシエ”として、丁寧に仕上げさせて頂きました」とコメントしている。

 そもそも、冒頭にあったように、記者が本作を聴いて感じた彼の魅力とは何か。

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最終更新:8月27日(土)9時0分

MusicVoice