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今や日欧航路は週1便 空港に続き「ハブ港湾」も韓国へ? 国交省に聞く港湾政策

乗りものニュース 8月27日(土)12時0分配信

台頭するアジアの港

 近年、韓国・仁川空港などの台頭によって、成田空港が“アジアのハブ空港”地位を脅かされている話を聞いたことがある人は多いかもしれません。

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 しかし近年は空港だけでなく、港も“アジアのハブ”の地位を追われつつあります。その背景と対策について、国土交通省港湾局 国際コンテナ戦略港湾政策推進室の松良精三室長に話を聞きました。

――日本のコンテナ港湾の国際的地位が相対的に低下し、韓国・釜山港などの存在感が増しています。

松良さん「コンテナ港湾の取扱量は1976(昭和51)年当時、神戸が世界2位、東京が8位、横浜が15位と世界トップクラスでした。しかしながら、2015年は東京が30位、横浜が52位、神戸は59位と日本の港は低迷している一方、上海が世界1位であることをはじめ、10位までのうち、7つが中国の港であるほか、韓国・釜山も世界6位につけています」

――アジアのハブ空港が成田から韓国・仁川に移ってしまったのと同じようにアジアのハブ港湾が釜山などに移ってしまったのですね。それによってどのようなデメリットが生じるのでしょうか。

松良さん「日本から北米や欧州に荷物を運ぶ際に、一度釜山などのハブ港湾を経由しなければならず、トランシップ(荷物の積み替え)によるデメリットが生じてしまいます。そのひとつ目は、当然ですが直航便よりも時間がかかってしまうことです。ふたつ目はコストの問題。トランシップには、飛行機の着陸料にあたる入港料や施設使用料、荷役料が必要です」

松良さん「みっつ目が一番の問題ですが、トランシップの際に荷降ろしの衝撃で積み荷が破損したりすること。荷主の電機メーカーや自動車部品メーカーにとって北米や欧州は非常に大きな市場で、日本は彼らが北米や欧州に製品を輸出することで外貨を稼いでいます。その製品がトランシップでダメージを受ければ、日本の電機メーカーや自動車部品メーカーは信頼を失ってしまいます」

――日本の港がハブ港湾の地位にあった時代は、北米や欧州に直接荷物を運べていたわけですね。

松良さん「その通りです。日本から北米や欧州に荷物を直接運ぶことは国益につながります。ところが近年、北米や欧州への直行便は激減しており、京浜港から北米に向かう便は1998(平成10)年の週41便から2015年は週22便に、欧州に向かう便は同じく週11便から週2便に、阪神港から北米に向かう便は週34便から週8便に、欧州に向かう便は週11便から週2便に減っています。日本から欧州に向かう2便はいずれも京浜港、名古屋港、阪神港を経由していますが、このうち1便が2016年9月に廃止されてしまうため、日本から欧州に向かう便は週1便になってしまいます」

――ちなみに欧州のどこに向かうのですか。

松良さん「ロッテルダムやルアーブル、ハンブルクなどに寄港します。週1便になってしまうと企業は在庫コストが発生し、商品を売る機会も減ってしまいます」

――残る1便はどの企業によって運航されるのですか。

松良さん「海運企業も航空会社のように共同運航を行うアライアンスを作っており、残る欧州便は世界17%のシェアを持つHapag-Lloyd(ドイツ)、APL(アメリカ)、Hyundai(韓国)、OOCL(香港)、日本郵船、商船三井の「G6アライアンス」によって運航されます。コンテナ船は近年大型化が進んでおり、世界最大のコンテナ船は長さ400m、1万9500TEU(1TEU=長さ20フィートコンテナひとつ分)もの積載能力を持ちます。大きなコンテナ船は採算上、たくさんの荷物を集める必要があるため、荷物が少ない日本の港ではなく、荷物が多い中国や韓国の港に寄港するようになります。この流れが加速すると、日本から欧米に荷物を輸送するには中国や韓国の港でトランシップを行う必要が生じてしまい、日本の電機メーカーは韓国のサムスンなどと不利な条件で競争せざるを得ません。北米や欧州への直行便を作るのが私たちの政策の目的です」

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最終更新:8月28日(日)8時51分

乗りものニュース

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