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校務膨大で教員休み返上、悲鳴 教科指導、部活動、行事準備…

福井新聞ONLINE 8/27(土) 17:56配信

 小中学生の学力、体力トップクラスの福井県。学校では教科指導に加え部活動や生活指導、行事準備といった多くの校務のため、休み返上で対応に追われる教員の姿が見られる。教員からは「仕事は増えるばかり」と悲鳴が上がる。福井県教育委員会は1カ月間の勤務時間を調査し多忙化解消に向けて動きだしているが、具体策はまだ見えてこない。

 福井市内の小学校に勤める40代女性教諭は午前7時半に出勤し、午後4時ごろまで教室で児童を指導する。職員室に戻ると卓上には提出書類の束。「国や教育委員会からの調査依頼、新たな取り組み要請が次々と舞い込む。多忙という言葉では言い表せないほど1日がすさまじい」

 翌日の授業準備に取りかかれるのは午後7時半過ぎ。「担任をサポートする教諭や事務作業を担う人員を増やしてほしい」。テストや宿題などへの対応もあり、平日では終わらず休日に自宅でこなす。

 県教委は今年5月、教員の勤務実態を把握するため、公立小中学校と県立学校の教員約7千人に対し、出退勤時刻調査を行った。同月1カ月間の平均勤務時間は中学校が最も長く、1日当たり昼休憩1時間を除き11時間34分。小学校は10時間38分、高校9時間52分だった。特別支援学校は9時間19分。いずれも基本勤務時間7時間45分を大幅に超えている。

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 「部活動の負担が一番大きい」と話すのは、40代の女性中学校教諭。部活動は授業と違い教育課程ではないが、同教諭の勤務校では人員不足から教諭全員が顧問か副顧問を担う。平日は12時間勤務が当たり前で、職員室が一番にぎわうのは部活動が終わる午後7時だという。「生徒と教諭の絆が強まり、人間力を養う場にもなる」と部活動の教育的効果の高さを否定しないものの、多忙な現状を嘆く。

 多くの会議も教員の負担となっている。次期学習指導要領を見据えた指導案の検討会、教科研究大会の事前会議…。同教諭は「今年のお盆休みは、ほぼ会議で終わった。学校は教員の生活や家庭が犠牲になって成り立っている」と話す。

 県教組は多忙化要因の一つに、言語障害や学習障害など支援を必要とする児童生徒への対応も挙げた。

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 ある男性高校教諭(41)は3年生を担任し大学受験準備に忙殺された当時を振り返る。平日は部活動顧問の合間に面接や小論文を指導。「2学期に入ると土日も模擬試験の監督や補習。2カ月間ほとんど休みがなかった」という。

 県高教組は「県教委はさまざまな事業を打ち出す。生徒との関わりより事業の対処が優先される」と指摘。「人を増やす、仕事を減らす、(勤務に見合った)賃金を出すといった対策が必要」とする。

 県教委は、今回の調査結果などを参考に「現在、多忙化解消に向けた方策を検討している」としている。25日に判明した文部科学省の中期的な学校指導体制構想では、障害のある児童生徒への通級指導などのため公立小中学校の教職員定数を約3万人増やすとした。ただ多様な課題への対応充実のためであり、多忙化が解消されるかは未知数だ。

福井新聞社

最終更新:8/27(土) 18:01

福井新聞ONLINE