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【誰かに教えたくなる話】日本人は「ぽっちゃり」がお好き?

TOKYO FM+ 8月27日(土)11時53分配信

「痩せたいのに、ついつい食べ過ぎてしまう……」多くの女性につきまとうこの悩み。近年は、痩せてキレイになりたいと願う女性たちに対して、痩せすぎよりもぽっちゃり型が好きという男性の意見もありますよね(その逆もまた然り)。では、少し前の日本人はどうだったのでしょうか。今回は、ある「ぽっちゃりさん」のお話です。

美容のために努力する女性にとって、最も大きな課題……それは「ダイエット」ではないでしょうか。
いえ、女性だけではありません。
現代は、男女ともに理想体重でいることが目標となっています。

では過去にさかのぼってみると、どうなのでしょうか。
そもそも太っている人を表わす「デブ」という言葉は、明治以降にできたものと言われています。
江戸時代までは、「デブ」という言葉はありませんでした。

理由は、太っている人は限られた人数しかいなかったため。
江戸時代の食事は質素で運動量も今よりずっと多かったので、みな痩せ型。
太っている人は一部の裕福な人のみで、それゆえ恰幅の良さは、お金持ちの象徴でもあったのでした。

特に子どもは、太っていることがとても良いこととされていました。
当時の落語には、「これはこれは、よくお太りなさって」という言葉が頻繁に出てきます。
決してバカにしているのではありません。
太っているというのは、褒め言葉だったのです。

こうした褒め言葉は、江戸が終わり明治大正になっても引き継がれます。
ある大正時代の作家が出した手紙にはこんな挨拶言葉が。
「愈々御清祥御肥満(いよいよ ごせいしょう ごひまん )、何より喜びます」
ご清祥と肥満が並べられて使われており、相手の「御肥満」を願っているのです。

昭和初期から戦前に活躍した、あるひとりの女優さんがいました。
その名も、「大山デブ子」さん。
見た目はやはり、ちょっと、いえ、かなりぽっちゃり。
でも魅力的な女性で、とってもモテたのだそう。
こんなストレートな芸名を付けられるのも、
太っていることが良いことだとされていたから、なのかもしれませんね。

時代とともに変わる価値観。
振り回されず個性を大切にするのも、大事かもしれません!


(TOKYO FM「シンクロのシティ」のコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は、「『太ってる』は褒め言葉?」として、2015年10月19日に放送した内容を再構成したものです)

文/岡本清香

最終更新:8月27日(土)11時53分

TOKYO FM+