ここから本文です

DeNA・守安社長インタビュー「対話型AI、まずはヘルスケアと自動車で実装を進めたい」

ニュースイッチ 8/27(土) 9:30配信

PNFとの合弁の狙いは

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は人工知能(AI)の活用で再成長の糸口をつかむ。7月、AIベンチャー企業のプリファード・ネットワークス(PFN、東京都千代田区)と合弁会社PFDeNA(ピー・エフ・ディー・エヌ・エー)設立し本格的なAI研究開発に乗り出した。自ら同社社長に就任したDeNAの守安功社長にAI戦略を聞いた。

 ―なぜAIを手がけるのでしょうか。
 「私が1999年にDeNAに入社した頃インターネットに感じていた事と同じ感覚をAIに持っている。当時はネットを使い『何ができるか』を皆模索していたが、いまはネットビジネスは当たり前のものだ。AIはもっと早くネットと同じようになるかも知れない。AIが起こす革新に対応し、事業のギアを上げるとともにAIのトップランナーを目指したい」

 「AIブームと言っても産業利用はまだ入り口。各社同一線上に並んでいる。AI関連で高い技術力を持つPFNと組んでAIを使いこなす力を高め、幅広い分野に応用すれば、AIサービスの提供事業者として存在感を出せる。新たなビジネス領域も開拓したい」

 ―PFNと共同で設立したPFDeNAの位置づけは。
 「DeNA、PFN双方から技術者を出して協業する場の一つとなる。PFDeNAで働いてもうけるのではなく、両社が力を出し合いAIをビジネスに実装できれば良い。両社はすでにユーザーとチャットで会話する対話型AIを作り一定の実績を得ている。こうした精度の高い応答力をカスタマーサービスで生かすなど、まずはDeNAの事業領域のゲーム、コマース、ヘルスケア、エンターテインメント、自動車、ライフスタイルにAIを組み込む。その後、適用事例を外部に提供していく」


 ―活用の具体策は。
 「企業秘密なのであまり言えないが、アイデアは多い。まずはヘルスケアと自動車で、どのテーマを進めるか探っているところだ。時間との勝負なので早く実装まで進めたい。DeNAは実装を通じてAIシステムを使いこなす力を高める。そのため社内のAI技術者をいまの数人から数十人に増やす予定だ。社内にはAIに携わった経験者が多くいるため、そうした人材を活用する」

 ―AIが切り拓く新領域はどんなものですか。
 「これもあまり言えない。AIの力が生きる分野は農業、工作機械、小売りなどさまざまだ。ただ、PFNは物流現場のピッキング作業や工場の自動化に取り組んでいる。DeNAは通信販売を手がけるし自動運転車による配送サービスにも着手する。ネットとAIで通信販売に関わる仕組み全体をより効率化する、といった取り組みは面白いかもしれない。AIでの協業はPFNだけとは思わない。いろいろな企業との連携も視野に入れる」

【記者の目・協業でどんな革新生むか】
 守安社長はPFNについて「高い技術力はもちろん『世の役に立とう』という思いと社会実装の具体的なアイデアを持っている」と評する。世界でも屈指のAIベンチャーとの協業は楽しみの方が多いだろう。AIとの相性が良さそうな6事業を持つDeNAとPFNの技術力がどんな革新を生むのか。できるだけ早くみせてもらいたい。
(聞き手=石橋弘彰)

最終更新:8/27(土) 9:30

ニュースイッチ