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損保大手、アジア事業でカギ握る銀行窓口販売の成否

ニュースイッチ 8/27(土) 10:53配信

重要な販路、成長市場で中間層囲い込み

 損害保険会社がアジアで銀行経由の保険販売に注力している。損保ジャパン日本興亜ホールディングス(HD)はマレーシアの金融機関と提携し、自社の保険商品の独占販売権を獲得。東京海上HDは2017年にもペーパーレスで保険の申し込みが可能なITインフラをマレーシア現地法人に導入し、生産性の改善を図る。中間層との接点になる窓販市場をテコ入れし、成長が期待されるアジアの需要を取り込む。

 損保ジャパン日本興亜HDはマレーシアの金融グループCIMBグループから損害保険の長期の独占販売権を獲得した。CIMBの約1000店舗を活用し、マレーシアに限らず、タイやインドネシアなどASEAN主要国で保険を展開する。

この内、マレーシアの市場規模は年間5000億円ほどで銀行窓販の比率は約10%にすぎない。ただ銀行は顧客基盤を一定程度保有し、認知度も高いため、窓販は保険市場全体の拡大と連動し、成長が期待されている。

同社は今後、消費性ローン付帯型の保険だけでなくインターネット販売など新たな商品展開を検討し、20年めどにマレーシア市場でトップ5入りを狙う。ただ国内損保3グループで見れば海外事業において同社はむしろ後発組。アジアをめぐっては東京海上HDなど競合2グループが買収で早くから事業基盤を整備。銀行との提携を通じ生保事業を中心に窓販に力を入れてきた経緯がある。

 MS&ADグループでは三井住友海上火災保険が生損保事業を展開し、この内、アジア5カ国で生保事業を担う。貯蓄性保険の販売において窓販を主要販路と位置づけ、すでにインドネシアでは売上高の約70%も占めている。東京海上HDもマレーシアの生保事業で売上高の約40%を窓販が占める。

 損保ジャパン日本興亜HDがCIMBと提携したことで、大手損保3グループともASEAN全域で金融機関経由の販路を一定程度確保したことになる。今後は各社とも日本から窓販ノウハウを輸出し、生産性の改善などを進めて、窓販のテコ入れを図る狙いだ。

 東京海上HDは生保子会社の東京海上日動あんしん生命保険が開発したペーパーレスの申し込み手続きをマレーシアの窓販事業にも導入する。さらに営業ポータルサイトを開発し、提携銀行の業務プロセスの改革も後押しする。

 三井住友海上は日本で生保事業を展開する三井住友海上プライマリー生命保険などのノウハウを活用し、販売員向け研修プログラムや活動管理システムを取り入れ強化を進める。損保ジャパン日本興亜HDも日本の生損保事業やトルコ現地法人が持つ窓販のノウハウの移管を進める。

 銀行窓販は中間層との接点として各社とも重要な販路と位置づけている。日本でも損保会社は銀行を通じ生保・損保商品の販売で争ってきた。アジアにおいても窓販を巡る各社の取り組みが活発化していきそうだ。

日刊工業新聞経済部・杉浦武士

最終更新:8/27(土) 10:53

ニュースイッチ

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