ここから本文です

新湊にアマモ場形成、氷見高海洋科学科

北日本新聞 8/27(土) 0:41配信

■カキ殻を活用、定植に初成功

 氷見高校(前田一郎校長)の海洋科学科が、射水市海老江(新湊)の沿岸部で、アマモ場の形成に初めて成功した。2008年の活動開始以来、移植しても大きな波に苗を流されていたが、カキ殻をかぶせる方法を考案して今夏に1年以上の生育を確認。国内の有識者からも高い評価を受けており「氷見高式定植法」として調査・研究を続け、富山湾の豊かな藻場づくりにつなげる。(氷見総局・七瀬智幸)

 アマモは浅瀬の砂場に生える海中植物で水質浄化や酸素供給の働きがあり、魚介類の産卵場所や稚魚の成育場所になることから「海のゆりかご」と呼ばれる。日本全域に分布し、高度経済成長期以降、沿岸部の埋め立てや干拓のため各地で減少した。

 岡山県備前市日生(ひなせ)町の漁師が1985年、全国に先駆けて再生活動を開始。毎年「全国アマモサミット」が開かれるようになり、県内は射水、氷見、魚津、滑川で移植が行われている。

 大きな波の来る場所は砂ごと流されるため、アマモ場の形成は難しいとされる。氷見高は前身・有磯高時代の2008年から氷見沖、5年ほど前から海老江と富山湾特有の「寄り回り波」の来る沿岸部で活動してきたものの、いずれも途中段階で流された。

 今回考案した氷見高式定植法は、砂の流出を防ぐためアマモの株や根を覆うように地表にカキ殻をかぶせる。昨年4月、海老江の沖合10メートル、水深1・5メートルの地点で、高さ10~15センチのアマモのポットや苗を2平方メートルに植えた。NPO法人富山湾を愛する会(富山市)の協力で観察を続け、ことし7月初旬には60センチ以上に伸び、群落を形成していることを確認した。

 成果は6月に備前市で開かれた全国サミットで発表した。30年以上アマモに携わる元岡山県職員で、NPO法人里海づくり研究会議(岡山市)の田中丈裕事務局長(62)は「波の物理的な力に対し、カキ殻で砂面流動を抑える方法は初めて聞いた。群落の核をつくるのに有効と考えられ、技術の精度を高めてほしい」と評価する。

 海洋科学科3年の早平魁人さんと松木佳輝さんは「いい発見ができた」とし、「もっと広い範囲やいろんな場所に植えてみてはどうか」と後輩たちのさらなる研究に期待する。ことしは氷見沖でも試しており、岡田洋朗教諭(38)は「なぜ残ったのかを検証し、漁業の持続的な発展に貢献したい」としている。

北日本新聞社

最終更新:8/27(土) 0:41

北日本新聞