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中国P2P規制強化 借り入れに最高1500万円の限度額設定

ZUU online 8/28(日) 8:10配信

中国ではP2Pの借り入れに限度額が設定され、今後個人利用は最高15万ドル(約1506万円)までとなる。

中国では近年、悪質なP2Pによる詐欺被害などが増加しており、政府が強硬手段を投じる必要に迫られているのは明らかだ。

しかし今回の金融規制の引き締めが、「中国で600億ドル(約6兆294億円)市場に成長したP2Pの勢いを止めかねない」との懸念が持ちあがっている。

■「ポンジ詐欺」など大型金融詐欺が相次ぐ中国

中国銀行業監督管理委員会(CBRC)は8月24日、個人による単一のP2P企業からの借り入れは3万45ドル(約302万円)、総額15万ドル(約1506万円)、法人による借り入れはその5倍に限度額を設ける意向を明確にした。

今年に入ってから米メディアなどで、中国政府によるFinTech、特に融資スタートアップへの規制強化に関して報じられていたが、今回の限度額設定は中国FinTechの基本水準を引き上げる目的で実施される。

国際シンクタンク、ピーターソン研究所の調べによると、昨年中国で事業を営んでいたオンライン融資企業は2500社を突破しており、そのうち3分の1以上が様々な事情で経営難に陥った「問題のあるプラットフォーム」として、報告されている。

最も衝撃的な例では、中国P2Pの代表的存在だったe租宝(Ezubao)による「ポンジ詐欺」が記憶に新しい。

e租宝は「年利9%から14.6%」といううたい文句で、90万人以上の投資家から76億ドル(約7637億2400万円)をだましとり、中国史上最悪の詐欺事件として昨年末から今年2月にかけて世間を騒がせた。

また昨年9月には大手希少金属取引所、泛亚有色金属交易所(Fanya Metal Exchange)に対して、総額60億ドル(約6029億4000万円)の元金返還を求める投資家が、政府機関や証券監督委員会の講義を行っている。

■副受託銀行の仲介なしでのウェルスマネージメント商品も禁止に

こうした融資がらみの事件は、急拡大した中国融資市場の氷山の一角だ。

中国政府はこれまでP2P関連の規制が不透明であったことが、度重なる被害を招いていると判断。

限度額のほかにも、今後P2P企業が公金預金に手をつけることを禁じると同時に、ウェルスマネージメント商品の販売には、副受託銀行としての許可書を取得した銀行の仲介を義務づけるという強硬手段に踏みきった。

さらには全P2P企業に、情報開示に協力するよう要請する構えだ。

中国政府にすれば質の悪いFinTech企業を一掃し、アリババやテンセントといった経済と国際的地位に貢献できる巨大企業の支援に専念したいといったところだろう。

今年4月には融資、決済を取り締まるキャンペーンを打ちだし、その圧力も手伝ってか、1000社以上の中国FinTech企業が短期間に姿を消したとも報じられている。

しかし長期的な視点から見た場合、政府の過敏な反応が中国P2Pの成長を阻む可能性は高く、そうなればせっかく築きあげた新たな産業の芽を、無駄に摘みとってしまうことになりかねない。

本当に必要なのは「厳格な規制」ではなく「適切な規制」だろう。(FinTech online編集部)

最終更新:8/28(日) 8:10

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