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マイナス金利下限に「かなり距離」、量・質も緩和余地=日銀総裁

ロイター 8月28日(日)12時46分配信

[東京/ジャクソンホール(米ワイオミング州) 28日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は27日、米ワイオミング州ジャクソンホールでの年次経済シンポジウムで講演し、日本のマイナス金利水準である0.1%は下限に「かなりの距離」があると述べ、さらなる深掘り余地を示唆した。

物価2%目標の早期実現に必要なら量・質・金利の3つの次元でちゅうちょなく追加緩和措置を講じるとし、いずれにも追加緩和余地があると語った。

日銀は9月20、21日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の「総括的な検証」を行うが、講演は検証に向けて多くを示唆する内容となった。

総裁は、今年1月に導入を決定したマイナス金利政策について、QQEと相まって金利が大幅に低下し、「幅広い借り入れ主体に恩恵を与えている」と評価した。

そのうえで「いくらでも望み通りの水準に金利を引き下げられるわけではない」としたが、現行のマイナス0.1%という水準は「新たな下限制約からは、まだかなりの距離がある」と指摘。マイナス金利政策の導入で「負のショックへの対応に、より大きな自由度を獲得した」と語った。

先行きの金融政策運営は、毎回の金融政策決定会合でリスクを点検し、物価目標実現に必要と判断した場合は「ちゅうちょなく、量・質・金利の3つの次元で、追加的な緩和措置を講じていく」との方針をあらためて表明した。

マイナス金利付きQQEは「非常に強力な枠組み」とし、「量・質・金利のいずれも、追加緩和余地は十分にある」と強調。「この枠組みをどう使って、2%の物価安定目標を早期に実現するか、しっかりと検討し、実践していく」と語った。

日本の予想物価上昇率が弱めの動きとなっていることについて総裁は、2014年夏場以降の原油価格の大幅な下落に「起因するとの見方を否定することは難しい」と指摘。日本の長期のインフレ予想は1990年代以降、2%よりも低いままだったとし、「2014年時点で日本経済は(インフレ予想が)リアンカリングの道半ばであったため、インフレ動学が負のショックに対して脆弱だったといえる」との見解を示した。

ヘリコプターマネーに関する質問に対して総裁は、国内法では制限があると説明。そのうえで日銀の国債買い入れ規模を考慮すると、買い入れ可能な国債は「急速に縮小を続けるだろう」としたが、量的緩和の実質的な上限への対応について言及はなかった。

(伊藤純夫)

最終更新:8月28日(日)12時55分

ロイター