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《ぐるっと点検ぐんま》公立学校のエアコン 酷暑から子ども守れ

上毛新聞 8月28日(日)6時0分配信

 夏場の厳しい暑さが注目される群馬県で、公立学校の普通教室にエアコンを導入する動きが広がっている。熱中症対策に加えて涼しくて快適な学習環境を整えるため、平野部を中心に18市町村が全小中学校の教室に設置を完了、残る自治体にも全校設置の動きが出ている。エアコン活用に併せ、水筒を持参させたり、屋外での運動を制限するケースもあり、各地で酷暑から児童生徒を守る取り組みが進む。

◎18市町村で全教室設置…水筒持参や運動制限も

 文部科学省の学校環境衛生基準では「教室内の温度は30度以下が望ましい」とされている。エアコンの必要性を検証するため、県教委が2014、15年度に県立高校で夏の教室の室温を測定したところ、エアコン未設置のすべての学校で30度超となり、県央や西毛では36度を超えた学校もあったという。

■稼働にルール

 県立高校64校のうち、PTAが費用負担するなどして設置を終えたのは26校。未設置38校については県教委が本年度から3カ年計画で全教室へ設置する方針を打ち出している。

 小中学校では、県央や東毛ですべての教室にエアコンが設置された。エアコンの稼働にあたり、「室温30度以上が継続する場合」(玉村町)といったルールを設けるところがあるほか、多くの自治体が節電のためグリーンカーテン設置や扇風機の活用も促している。

■財政負担が課題

 エアコンと並行した暑さ対策では、多くの市町村が児童生徒に水筒の持参を推奨。「日本一暑い」と言われる館林市は、状況に応じて中学校の部活動の練習の軽減も呼び掛ける。明和町は各校に製氷機を配備し「すぐに体を冷やせるようにしている」という。

 エアコン未設置の学校は北毛に多く、「冬の寒さは厳しいが、夏は快適。扇風機も不要」(草津町)。ただ、暑さは年々厳しくなっており、中之条町や東吾妻町などは将来的に全校に設置する方向だ。

 学校数や教室数にもよるが、エアコンの設置や運用には多額の費用がかかるため、自治体側にとっては財政的な負担が課題となる。渋川市は財政への影響を考慮し、統廃合を控えた学校などを除く19校を対象に順次導入する考え。中学校5校への設置を完了し、本年度から小学校12校への設置を進める安中市は「エアコンの使用時間や電気代などの情報を各学校で共有し、適度な利用を相互に促したい」としている。

◎熱中症対策 体調変化 気配りを

 県教委の集計では、昨年度に県内の小中高校や幼稚園、特別支援学校で熱中症の症状になったのは245人。「報告が上がるのは病院で治療した事例のみ。暑さで不調になった子はさらに多いとみている」(県教委健康体育課)。

 エアコン設置が進んでいるとはいえ、体育の授業や自然観察、部活動など屋外で活動した後に発症する傾向があり、登校時から体調不良を訴えたケースもあるという。

 県教委は暑さが本格化する前の5月から各市町村教委に対して熱中症対策について啓発し、朝の健康観察や行事があった場合の子どもたちの体調変化に気を配るように呼び掛けている。(前原久美代)

最終更新:8月28日(日)6時0分

上毛新聞