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「救急ドローン」実現模索 医薬品搬送や容体把握 9月から実証実験

佐賀新聞 8月28日(日)9時40分配信

 事故や災害現場の患者に小型無人機「ドローン」を使って医薬品、自動体外式除細動器(AED)などをいち早く届けたり、正確な容体把握につなげたりして救命効率を高めようと模索する動きが始まっている。主導するのは佐賀県職員の円城寺雄介さん(38)。一般社団法人を立ち上げ、9月から福岡市の九州大伊都キャンパス一帯で実証実験に取り組む。総務省の事業に採択され、佐賀県内の消防関係者も関心を寄せる。

 円城寺さんは、県内の救急車にタブレット型端末を搭載してリアルタイムに患者受け入れ可能な病院を検索できるシステムの導入などに尽力した。ただ、「搬送時間の短縮につながったが、患者を減らすことには直結せず、現場の負担軽減になっていない」との思いがあった。そこで「救命活動の環境改善」という視点からドローン活用を思い立った。

 今年1月にドローン製作や医療、ICT分野の関係者らと「救急医療・災害対応無人機等自動支援システム推進協議会(EDAC)」を設立した。総務省のIoT(モノのインターネット)サービス創出支援事業の委託先に選ばれ、実証実験に取り組む。

 実証実験では、119番したスマートフォンのGPS(衛星利用測位システム)機能を利用して通報者の元までドローンを自動飛行させたり、ドローンに設置したカメラで通報者の状態や周囲の状況把握を試みる。その映像を眼鏡型端末などに送信し、移動中や作業中でもリアルタイムに状況を把握できるかを確認する。また、AEDや医薬品を運ぶ実験も行い、救命救急分野でのドローン活用の可能性を探る。

 事業は来年3月までで、年内に中間報告、2月に最終報告をまとめる予定。

 「救急ドローン」には、県内の消防関係者も注目している。円城寺さんらが昨年、唐津市で開いた研修会に出席した唐津市消防本部の関係者は「上空からの情報収集には有効な資機材となり得る」と評価、「将来的に活用できるか検討中」という。

 円城寺さんは「少子高齢化や人口減社会が進む中、テクノロジーで労働力などを代替する方策を模索することが重要になる。有効性や課題をできる限りくみ出して、利活用の実現、普及につなげたい」と語る。

最終更新:8月28日(日)9時40分

佐賀新聞