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きょうの本 『お父さんが教える作文の書きかた』(自由国民社)

ニュースソクラ 8/28(日) 19:00配信

【いま大人が子供にできること(17)】読書感想文の書き方 一年生その一 一行の書き方

 先日、最近の低学年が日本語をうまく話せなくなっている……という話をしました。
 語学の習得は“聴く”“話す”からです。
 “聴いて”いなければ上手に“話せる”ようにはなれないでしょう。
 日本語でたくさん話しかけられていなければ、たくさん日本語を聞いていなければ、日本語は話せないに決まっています。

 親も話しかけず、保育施設でも話しかけられず、だったら、その子の日本語は貧しくならざるをえません。
 ましてや、話せないのに“読んだり”“書いたり”はさらに難しいでしょう。
 ということは、今でも大学生が文章を書けない……と嘆かれているのに、これからはさらにそれに拍車がかかる、ということになります。

 いまの子どもたちは、いまよりもっと文章が書けなくなる可能性がある、ということですね。
 なにせ、話す、という土台からして揺らいでいるのですから……。

 ということは、そうならないためには、大学生になってからではなく、もっと小さいとき……土台を作る時期、つまり小学校低学年の時代から意識して文章のかきかたをレクチャーしたほうがいい、ということになる、と私は思います。

 本の読み方も文章の書きかたも、水泳と同じ……。
 無理せず順番に教えてもらえば、ほとんどの人は25メートルくらいなら泳げるようになりますよね?
 “ちゃんと教えてもらえば”
 ほとんどの人は書けるようになるのです。

 でも、水泳なら習わければ泳げるようにならない、と思ってもらえるのに、なぜか、読み書きは習わないとできるようにならない、と思ってもらえない……。

 つまり努力しなくても日本語を聞いたり話したり、読んだり書いたり、は自然にできるようになると思われているってことですよね?

 でも、文章書くのって、難しいでしょ?

 なのに、なんで、習わなくてもできる、と思われてるのかな?
 日本語で文章を書くのは上手に聞けて話せる人でも難しいのです。
 なぜなら、日本語は話し言葉と書き言葉が違うからです。
 日本語使いは、それだけでバイリンガルなのですよ。

 特に、理科も社会もそこそこできるのに国語だけがなぜか苦手、というタイプの子なら“順番にちゃんと教えてもらえれば”そこそこのレベルまでなら、すぐに書けるようになります。

 でも学校はそういう文章のかきかたは教えない……。

 そう。
 その子たちがなぜ書けないのか、というと、理由は簡単で、教わってない、からなのです。

 だったら、おうちでフォローしましょうよ。

 なのでまず今回は一年生が一行の文章を書けるようになるやりかた、からーー。

 一行が書けるようになれば、次は400字詰め一枚を書く、にいけるわけで、そしたら三枚、だの、2000字で書け、だのにもいけるようになります。
 でも、まずは一行書けるようにならなくっちゃ!

 文章を書く最初のチェックは、まずはひらがな、カタカナが書けるかどうか、です。
 その二つがオッケーなら、次は一行の文章を書くやりかた、を説明してください。

 文章を書くときは
“だれが”
“どうした”
から始めます。

 が、文章を書き始める基本です。
一、二年生はこの二語文づくりが大好きで、とても熱中するので、散歩しながらの遊びでクリアできます。
どっちかが
“ぶたが”
というように
“だれが”
をいい
もうひとりが
“ころんだ”
というように
“どうした”
をいうのです。
これをクリアしたら、次は
“どこで?”
“なにを?”
を足してみてください。
“おばあさんが”
“たんぼで”
“おにぎりを”
“たいじしました”
みたいに、シュールであればあるほど、子どもたちは
大興奮します。

 これを木製のサイコロにした“だれがどすた?”というおもちゃがあるのですが(埼玉福祉会のサイトで売っています)低学年は本当に三時間でも四時間でも笑い転げながらこのサイコロを振り続けます。
 ということは、それが楽しいうちにそれを習得しなければならない、ということでしょう。
 成長期のそういうポイントは、二度と再び来ないからです。
 もう二度と、ブランコが楽しかった日々は還ってきません。

 さて、これで一行は、書けるようになりました。
“だれが?”
“どうした?”
が基本で、そこへ
“だれと?”
“いつ?”
“どこへ?”
“どこに?”
“いくつ?”
“どうやって?”
などのように、その文章に必要だと思う情報、を足していけば一行は完成するからです。

 たいていの大人はそこそこ文章を書けます。
 こういうことを無意識にやっているからです。
 でも無意識に、だと、他人に説明できません。
 自分でも意識できないので、詰まったときにどうしていいかわかりません。
 “意識して”
 “言語化”
 しないと自分でも使いこなせないし、子どもに解説もできないのです。
 ここらへんの話を、もっと詳しく知りたいかたは
 「お父さんが教える作文のかきかた」
 に書きましたので、わからなくなったらそちらの本を参照してみてください。

 自分が困っていることを鮮やかに解決してくれるお父さんは子どもたちにはヒーローです。

 どうぞ子どもに勉強を教えて、カッコいい、ヒーローになってください。

 これで一行が書けるようになったら、次はいよいよ400字詰め一枚の“読書感想文”です。

■赤木 かん子(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。
著書多数。

最終更新:8/28(日) 19:00

ニュースソクラ

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。