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「冬に南風が吹く時は外出するな」 沖縄に残る天気のことわざ、いくつ知ってる?

沖縄タイムス 8/28(日) 15:30配信

 沖縄には自然災害に気を付けるよう注意を促す言い伝えや、天気予報にまつわるしまくとぅば(島言葉)のことわざが各地に残る。元沖縄気象台職員の大城繁三さん(78)は、旧具志頭村港川出身で漁師の祖父にことわざを聞かされて育った。祖先の知恵を伝える各地のことわざについて聞いた。(社会部・知念豊)

 大城さんは小学5年まで旧具志頭村港川で育った。祖父は漁師、会社勤めをしていた父も時々漁を手伝った。漁は天候を把握しなければ、命の危険にも関わる。祖父も父も常に天候を気に掛けていた。大城さんも漁と関係する天候に興味をもつようになった。

 3月から4月の「ニングヮチカジマーイ」。祖父は「強い北風が吹き、波が高くなるから漁に出るのは危険だ」と話していた。漁師仲間もこの季節の風には特に気を付けていた。

 大城さんが小学3年のころ、沿岸の波が高くて漁港に戻れなくなった漁師が行方不明になった。数日後、無事に帰り、漁師たちは喜び合っていたという。

 このことがあり、沖縄気象台に勤めるようになると、天候に関するしまくとぅばやことわざを調べ始めた。「ニングヮチカジマーイ」は、台湾付近で発生した低気圧が急速に発達、南風から北風に変わり、黒潮の流れと逆向きに風が吹く現象。強い風のせいで波が立ち、船の転覆につながるため、漁師たちが特に警戒したことが分かった。

 旧佐敷に伝わる「ユーサンディアケー、ウヮーチチガヤンディーン」(夕焼けは天気が崩れる)。大城さんは「天気が崩れる前、夕焼けになることはあるが、地方によってその逆もある」と説明。一方で「台風が接近する時、異常な夕焼けが観測されることがある。このことわざに関連しているかも知れない」と話した。

 那覇の「冬南風マーエ、隣マーイシュナ」(冬の南風が吹く時は外出するな)。冬の南風は前線通過、または気圧の谷の影響で天気が崩れる前ぶれと説明した。

 宜野湾に伝わる「東ヌ海ヌ鳴イネー風」(東方の海の音が聞こえると、大風になる)。台風の影響で、宜野湾から東方にある中城の沿岸にうねりが打ち寄せ、海鳴りが聞こえる。風も次第に強まることを指しているとした。

 各地の生活と密着した天候のしまくとぅば。「季節や地域によっては、ことわざ通りではないことも」。科学的な予報が発達した現在でも、大城さんは祖先が伝えた知恵に着目する意義を話す。「祖母は災害に遭わないように、日ごろから備えることが大切だと話していた」。自然の変化を読み、万が一に備える。「そんな心構えを伝える昔からの教えは、これからも大事にしたい」と笑った。

最終更新:10/2(日) 18:20

沖縄タイムス