ここから本文です

「まず、してほしいのは、学校から逃げること」中学時代いじめに…奥田愛基を突き動かした、鴻上尚史の言葉

withnews 8月31日(水)7時0分配信

 夏休み明けの9月1日は、子どもの自殺が突出して多いとされています。学生団体「SEALDs」創設メンバーの奥田愛基さん(24)は、中学時代にいじめを受け、一時は死も考えたそうです。そんな奥田さんが立ち直るきっかけとなったのが、劇作家の鴻上尚史さん(58)が執筆したあるコラムでした。新学期を前に、2人が語り合いました。

【画像】「学校つらい子逃げて来て」鎌倉市図書館が投稿した感涙ツイート

「透明人間ゲーム」で狂いそうに

 ――奥田さんは自伝『変える』のなかで、中学時代のいじめ体験について赤裸々につづっています。一番つらかったことは?

 奥田 「無理やり殴り合いをさせられるとか色々ありましたけど、一番こたえたのは『透明人間ゲーム』です。中1の時、『いないことにしようぜ』みたいな感じで無視されて。テニス部の部活中も球を回してもらえない。やってる方はからかい半分なのでしょうが、狂いそうになりました」

 「テニスの練習場が教室からよく見えるんです。実際には誰も見てないんですけど、『見られている』という感覚がキツイ。自分では友達は多い方だと思っていたし、ケンカだって弱くないし、というプライドがあったので」

 鴻上 「トイレに押し込めて水を掛けたり、教科書に落書きしたりするようなやり方は、いじめの最新トレンドじゃない。大人にバレないように、透明人間ゲームだとか、給食に髪の毛のフケを入れて食べさせるだとか、証拠の残らないいじめ方をするんだよね」

ブロック塀に額をたたきつけた

 奥田 「外傷がないから、親にもしんどさをうまく伝えられなくて。自傷行為で、ブロック塀に額をたたきつけたこともありました。めっちゃ泣くんですけど、泣いた顔では家に入れないから涙をふいて。帰ってきて親から『どうしたの?』って聞かれても『転んだ』みたいな」

 鴻上 「なんで親に言いにくいんだろう」

 奥田  「小6から塾に通っていて、それなりに成績も良くないと、という思いはありました。周囲から『いい高校行きたかったら、ちゃんとしなさいよ』と言われてきて、義務教育でつまずいたら人生おしまいだっていう恐怖感があった。ズルズル生きるより、死んだ方がいいと思い込んでました」

 鴻上 「まじめなんだね」

 奥田 「『生をどう肯定するか』っていう部分が欠落した世界に浸っちゃうと、大事なことが思い出せなくなる。あの友達と仲良くできないとか、クラスのなかでいい位置に立てないとか、部活に行けないとか、成績が下がったとか、生きることに比べたら全部どうでもいいことなのに」

1/5ページ

最終更新:9月4日(日)13時56分

withnews