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バブルを見抜く=成功ではない 物理学者・ニュートンもタイミング見誤る

THE PAGE 8/31(水) 17:00配信 (有料記事)

 【連載】「バブルとクラッシュ~その時、投資家はどう動いたのか」では、人々の投資に対する熱狂が、果たしてバブルなのかを見抜くことで、巨万の富を築き、“一人勝ち”をしてきた人たちの投資行動を見てきました。しかし、冷静にバブルを見抜くことができたからといって、大きな成功を手中に収められるとは限りません。バブルに気付いたあとの行動が、明暗を分けた例をミリタスフィナンシャルコンサルティングの田渕直也さんが解説します。

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 前回はバブルを“バブルと見抜けるか”がテーマだった。でも、ややこしいことに、それを見抜いたからといって投資が簡単になるわけではない。バブル崩壊のタイミングをめぐる二つの事例を紹介しよう。


  群集心理のうねりは、天体の動きより予測しがたい

 バブルの語源になったといわれているのが、1720年に英国で起きた“南海バブル事件”である。

 南海会社という国策会社があり、当時のお粗末な会計基準を悪用して見かけの利益を膨らませた結果、その株価がすさまじい勢いで上昇することになった、というものである。その熱狂ぶりは、王族や貴族、有力政治家などを巻き込むほどであったが、そのなかには誰もが名を知る、あの天才物理学者も含まれていた。アイザック・ニュートン(1642-1727)である。

 ニュートンは、いうまでもなく近代物理学を確立した人類史を代表する天才であるが、投資においても決して素人ではない。

 彼は、ブームに乗って一儲けした後、さっさと南海株を売り払った。南海会社の利益は見せかけのものであり、熱狂はいつまでも続かないと見たのだ。

 ところが、ニュートンの冷静な分析に反して、現実はそれとは異なる経緯をたどった。南海株はさらに勢いを増して上昇していったのだ。そして、バブルが崩壊するまでもう少し時間があると見て彼が再び南海株に手を出したところで暴落が起きたのである。ニュートンは、「天体の動きは計算できるが、群集心理のうねりは予測できない」と嘆いたといわれている。

 バブルはいつか崩壊する。でも、バブルが持続している間は、それがたとえ不合理で一時的な動きだとしても、それに合わせて行動しなければ投資家は利益を得られない。音楽がなっている間は踊り続けなくてはならないのだ。でも、音楽が止まったちょうどそのときに、うまく逃げだせるとは限らない。

 ニュートンの場合は、バブルをバブルと知りつつ、それを利用しようとしてタイミングを見誤ったのだ。では、バブルだと見抜いたのなら、その崩壊に賭けるべきだったのだろうか。

  ポールソンの大成功の陰で~先駆けた者の苦悩~本文:6,410文字 この記事の続きをお読みいただくには、THE PAGE プラスの購入が必要です。

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最終更新:8/31(水) 17:00

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