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「おかしい、ただの病死ではない」 保育施設の死亡事故、なぜ非公表? 母親のフェイスブック投稿で発覚

withnews 8月30日(火)7時0分配信

 保育施設での死亡事故が後を絶たない。内閣府によると、2015年に保育施設から報告された死亡事故は14件。ところが、どの施設でどんな事故があったのか、非公表のままの事案も少なくない。公表されない理由、当事者の苦しみを取材した。(朝日新聞東京社会部記者・仲村和代)

【画像】「あんなに雑な保育を受けているなんて…」死亡事故で亡くなった心菜ちゃんの笑顔

フェイスブック投稿で明るみに

 東京都大田区の認可外保育施設「蒲田子供の家」で3月、生後6カ月の女の子が亡くなる事故が起きた。事故が公になるきっかけは7月、保育情報をシェアするフェイスブックのコミュニティに母親が投稿したことだ。

 「無認可保育園で6ケ月の娘を亡くしました。投稿しようか迷いましたがもうこんな悲しいことが起きないように投稿しようと決めました」

 こんな書き出しで、亡くなった時の状況や、入園時の説明と実際の保育内容が食い違っていたことなどがつづられていた。

「プロだと思って信頼していたのに」

 この時点で、事故については全く公になっていなかった。東京都に問い合わせ、事故の概要がわかった。

 都によると、事故当時、0~3歳までの5人が預けられており、1人の職員が別室で休憩し、保育資格のない別の職員が実質1人で5人をみていた。職員がミルクを作るために十数分間離れ、戻ったところで女児の異変に気づいて救急搬送したが、病院で死亡が確認された。事故後に立ち入り調査をし、改善勧告をしたという。

 その後、両親から話を聞くことができた。長女の心菜ちゃんが亡くなって4カ月。自分を責め、苦しみ続けたという。

 「入園する時は、園長は保育士だと説明されました。プロだと思って信頼していたのに」

どこも満員、ようやく見つけた施設

 施設に預けたのは、昨年12月、生後3カ月の時。当時は横浜市に住んでいた。母親は「将来のために自分も働いてお金をためたい」と預け先を探し始めたが、地元は待機児童が多く、働いていない場合に認可保育園への入園は難しい。自宅周辺の認可外保育施設も、どこも満員だった。

 ようやく見つけたのが、大田区の認可外保育施設。マンション2階の1室を利用し、24時間年中無休、0歳から受け入れていた。30年以上の運営実績があり、園長もベテランに見えたという。

 保育料は約6万円。昼のパートではまかなうのが難しく、夜の仕事を始めた。帰りのタクシー代がかさんだため、園の近くに引っ越した。園長からも子育ての助言を受けるなど、信頼関係を築けていると感じていたという。

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最終更新:8月30日(火)10時21分

withnews