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ドイツ「裸族の宴」に潜入 敷地内は別世界…ナチス・共産主義もくぐり抜けた伝統 若者離れで存続の危機

withnews 8月30日(火)7時0分配信

 何を隠そう、ドイツは「裸の王国」だ。夏の海や湖の畔で、一糸まとわぬ老若男女が自由を満喫する習慣が脈々と受け継がれている。その名も「自由肉体文化」。ナチス時代や共産主義政権下でも廃れなかった庶民の娯楽が今、存続の危機にあるという。その伝統文化に、裸でお付き合いしてみた。(朝日新聞国際報道部記者・玉川透)

【画像】ギャグじゃない!みんなスッポンポン ドイツの伝統「自由肉体文化」の現場

ギャグではない、正真正銘のスッポンポン

 今夏のとある日曜日、首都ベルリンから車で1時間のモッツェナー湖畔。夏空の下、バドミントンに興じる約30人の男女が歓声を上げていた。ただし、身につけているのはスニーカーだけ。ほぼ全員が素っ裸。日本で少し前にはやったお笑いのギャグではない。正真正銘スッポンポンなのだ。

 ここはドイツ各地に点在する「FKK」の専用施設の一つ。FKKとは「フライ・ケルパー・クルトゥア」という独語の略で、直訳すれば「自由肉体文化」だ。

 「ドイツの文豪ゲーテ(1749~1832)も、愛好者だったといわれています」。独ヌーディスト・クラブ協会のクルト・フィッシャー名誉会長(74)は誇らしげに語る。

 現在、会員は約3万5千人。130支部があり、バルト海沿岸や湖畔にコテージやスポーツ施設を備える。個人会費は月約10ユーロ(約1200円)。一見さんも数ユーロを支払えば施設を利用できる。

脱ぐか、脱がないかは本人の自由

 FKKの理念は「衣服は自然の姿を覆い隠す偽りのもの」だ。木柵で囲まれた敷地の中は別世界が広がる。バドミントンを楽しむ若者たちも、身につけるのは靴下とスニーカーだけ。湖畔を散策する家族連れは裸にリュックサックを背負う。斧を振るってまき割りに励む老人も、庭先で優雅にお茶をすする夫婦もやはり素っ裸だ。

 とはいえ、裸になることを強制はしない。湖やプールに入るとき以外は、脱ぐか、脱がないかは本人の自由だ。一方で「他の会員を尊重する」ことを不文律とする。例えば、相手の体をじろじろ見るのはご法度。写真撮影も事前に許可を得なくてはならない。

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最終更新:8月30日(火)7時0分

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