ここから本文です

石川遼、米ツアーでの飛躍を見すえた半年間

ゴルフ情報ALBA.Net 8月29日(月)14時11分配信

 国内男子ツアー「RIZAP KBCオーガスタ」で腰痛による長期離脱から本格復帰を果たし、初日から首位を守る完全優勝で復帰ロードの第一歩を踏み出した石川遼。2月の「AT&Tペブルビーチ・ナショナルプロアマ」急きょ欠場から約半年。クラブを振れない状態から始まった復帰への道程だっただけに、万感の思いを持って優勝カップを受け取った。ただ、4日間の感想を聞かれると口から出た言葉は、まず最終日最終18番パー5をパーで上がったことへの反省だった。

【関連】ツアー通算14個目のカップを手にした石川遼

 「最後までバーディの可能性を持った上がり方ができればよかった。18番の3打目もピンを狙っていたのに精度が悪かった。自分の思った通りにできているわけではない。もっともっとプレッシャーのかかった場面ではああいうショットは命取りになる」。米ツアー復帰に向けて妥協は一切許さない。そんな姿勢は最後までつらぬいた。

 今大会は自身の軸となるリズムがブレることなく、試合中に持ち直すことができた部分を評価した。ティショットを曲げてからのリカバリーショットが目立った4日間だったが「曲がっている印象を持たれるかもしれないですが、自分のなかで“枠から外れているショット”は少なかった。あとはその枠を狭めていけばいい」と以前よりもスイングのリズム感に手ごたえを得た。優勝という結果を手にした以上に、“進化するためにやってきたことが間違っていなかった”と優勝争いのなかで確認ができたのは大きなことだったという。

■長いリハビリの始まり

 「椎間板、仙骨の炎症。安静にすることが大事です」故障が表面化した直後に受けた診断だ。日常生活は問題ないが、体を捻る動きをすると痛みがでるため、ゴルフだけができない。怪我が発覚したあとに結婚し「もし怪我をしていなかったら、結婚しても一緒にする時間が長くはなかった。一緒にいる時間ができたのは、人生のなかで見れば悪い時間ではなかった」というのは本音だ。

 ただ「妻には失礼ですが…それ以上にゴルフをできないことが自分じゃない生活。ゴルフをしていないのは自分ではない。“なにやっているんだろうな”と。ゴルフを普通にやっているプロをテレビで見て、離されているのかなとって」というのも偽らざる本音だった。

 リハビリは20ヤードのアプローチから始まった。4~5月に50ヤードが打てるようになり初めて回復を実感。「(棄権の理由は)50ヤードを打つと痛いことだったので、50ヤードはトラウマになっていた。打てるようになって“良くなっているなぁ”と」。毎週10ヤードずつ痛みを感じずに打てる距離が伸びていき、3番アイアンまで打てるようになった時点で、ウッド抜きでのラウンドを開始した。「痛みと筋肉の関係や、体の構造を勉強する期間でもありました。“自分の体はこうなってるんだな”と」。

■復帰戦で得た確信を胸にドライバーのレベルアップへ

 7月初旬の「日本プロ日清カップ」が復帰第1戦。「結果は散々」と予選落ちを喫したものの試合の中で痛みが出ないことを確認できたことが大きかった。クラブを強振できるという確信が、今大会まで約1か月半という短期間でのコンディション回復につながっていく。こだわりを持つドライバーへの不安もなくなり、4日間果敢に攻めるスタイルを貫いた。それも大きな収穫だ。

 ドライバーにこだわるワケはやはり復帰を目指す米ツアーにある。「“規格外に飛ぶ選手”がラクに感じるセッティングが多いというか、キャリーで290ヤード打てれば超えることができるバンカーとかがPGAツアーで多くなっている。超えるか超えないかで見える景色が全然違う。自分くらいの飛距離が一番中途半端。上で戦っている選手はキャリーで290以上飛ぶ選手が多いですし、それに少しでも近づけるように」。

 それにはドライバーの改革が必要だ。「理想はバックスピン量2700回転くらいですね。トータル飛距離は低スピンのほうが出ますが、もっと全体的にアイアンのような球筋でフェアウェイをピンポイントにキャリーで落としていきたい。“280キャリーの300ヤードではなくて、290キャリーの300ヤード”目指したい」。スピン量を増やしていることにより、アゲインストの状況で曲げる場面が多かったがそれも想定内。「(理想をベースにした上で)アゲインストの状況ではスピンを減らしていくのは打ち方をするのは技術の問題。(左からの強烈なアゲインストが吹いていた)最終日の16番はできました」。打った瞬間に石川自身が勝利を確信した一打に手ごたえを感じていた。

 もちろんこの勝利をゴールとしてきたわけではない。リハビリ期間で生まれたゴルフへの渇望、自身の体の構造に対する知識、新たに見つめ直したドライバーショットの理想。“早かった”と語る半年間のすべては、この勝利をきっかけにさらなる進化の血肉となる。

(撮影:上山敬太)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:8月29日(月)14時11分

ゴルフ情報ALBA.Net

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。