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高学歴者は要注意? 理知的に見える人が愚行を犯す心理

All About 8月29日(月)20時45分配信

■「あの冷静な人がなぜ?」――理知的な人が愚行に走るわけ
俗に「頭がいい」と言われる人たちの傾向として、ストレスに遭遇したとき、その原因や過程を即座に分析し、理屈で捉えて処理しようとすることが挙げられます。理知的に対処しようとするのはよいことですが、一方で、何もかもを理屈で捉えようとしていると、自分自身の素直な感情を抑圧し、知らず知らずのうちに息苦しさを抱えてしまう可能性があります。

すると、 どうなるでしょう? 「なぜだか分からないけど、気持ちがさっぱりしない」「何をしても心から満たされることがない」――このようなモヤモヤした気持ちで過ごすことが増えていきます。その結果、何かのきっかけに抑圧した感情が噴出し、理知的な人とは思えないような愚行に走り、大失態を犯してしまうことがあるのです。

■“理屈”に頼ってストレスを処理していると、どうなる?
たとえば、年頃の男子が気になる女子に声をかけたところ、まったく相手にされず、遠まわしに振られてしまったとします。こうしたとき、理屈っぽい男子のなかには、「女のことを考えるなんて、そもそも時間の無駄だ」と考えたり、「どうせ女は“男の外側”しか見ていないんだ」と考えたりして、振られたストレスから自分を守る理屈づけを行う人がいます。

こうして理屈を使ってストレスを回避していれば、心が傷つくリスクを回避することはできます。しかし、当初の欲求は満たされずに心の底に抑圧され、くすぶり続けてしまいます。

その結果、たとえば上記のような恋愛の抑圧のケースでは、お酒の席などで理性の抑制が外れたときに、恋愛欲求が過激な形で噴出し、女性にハラスメント的な言動を浴びせてしまったり、女性に対して優位になる立場に立ったときに、都合のいいように女性を動かし、恋愛欲求を支配的な形で満たそうとしたり……といった事態が生じてしまう可能性もあります。

■“感情”と“理屈”の双方を大事にしていますか?
理屈を使ってストレスの原因や結果を理性で捉え、分析的に処理できることは、社会で生きていくなかでとても有効な能力です。しかし、その方法にばかり頼っていると、自分の素直な感情を抑圧してしまい、満たされない欲求が後になって爆発するリスクも抱えてしまうのです。

大切なのは、“感情”と“理屈”の双方を大事にすること。ストレスに遭遇したときの“感情”と向き合い、ネガティブ感情を引きずらないための対処方法を、“理屈”を使って正面から考えていくことです。

先の例で考えれば、異性に振られたショックや悲しみから、理屈に頼って逃げ出さないことがまずは大切です。つまり、「好きな子に相手にされないって悲しいな」という気持ちと、まずは一人でじっくり向き合ってみること。そして、「胸がじんじん痛くなる」「眠れないほどつらくなる」といった心の動きを、少しゆっくり味わってみることです。このように、自然に生じる感情の過程に向き合うことによって、あるがままの自分を認め、自分の心の動きを大事にすることができるのです。

■“感情”と向き合った後に、“理屈”で対策を考える
自分自身の自然な感情の動きと向き合うことができたら、その後にいよいよ必要になるのが“理屈”の力です。

たとえば、「同じ状況に遭遇し、つらい感情を味わった人はいないだろうか、そのとき人はどうするのだろう?」と、身近な人の体験や過去の文献を参考にしながら、失恋の痛手を癒す自分なりの方法を考えてみる。「異性と交際できるだけの魅力を持つには、何を磨けばいいのだろう?」と、自分に足りないところを伸ばしたり、得意分野をさらに磨いたりして、異性と自信を持って交際できる自分づくりを始めてみる。

このように理屈の力を上手に使えば、現在のストレス状況に正面から焦点を当て、同じストレスに遭遇したときのダメージを最小限にする対処方法を考えることができます。そして、同じ轍を踏まないための効果的なアプローチを考えることができるのです。

特に、日頃から“理屈”に慣れ親しんでいる高学歴の人は、自然な感情を抑圧し、頭でっかちに物事を対処しようとする傾向が強いのではないでしょうか? 感情と理屈、双方の働きを大事にできれば、自他の心の動きを理解でき、つらい気持ちが生じたときにも慌てずにその気持ちと付き合っていくことができます。その上で、感情の動きに合わせた柔軟な対処方法を考えることができるのです。

こうした能力は、社会で生きていく上で必要になります。まずは、ぜひストレスに遭遇したときの“心の動き”をじっくり見つめ、その気持ちと向き合うことから始めてみませんか?


文・大美賀 直子(All About ストレス)

大美賀 直子

最終更新:8月29日(月)20時45分

All About