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【オーストラリア】北部準州議会選、労働党圧勝 豪東部のガス問題が深刻化も

NNA 8月29日(月)8時30分配信

 ニューサウスウェールズ(NSW)州を含むオーストラリア東部で、ガス不足と価格上昇問題が深刻化する見込みだ。北部準州(NT)で27日に即日投開票が行われた同準州議会選挙(定数25)で、天然ガス開発の厳格化を公約とする労働党が、過半数を大きく超える18議席を確保し、地滑り的勝利を収めたからだ。連邦・州政府や製造部門を中心とする産業界は、エネルギー政策やガス調達方針の見直しが迫られる。
 2012年以来4年ぶりに政権を奪回する労働党は、NT内の天然ガス開発でフラッキング(水圧破砕)技術の一時停止を公約。NTに投資する資源企業は、選挙での労働党の勝利に備え、過去2~3カ月間に天然ガスの試掘を中断している。
 またガス開発が停滞することで、NTでのガス生産量の拡大が望めなくなり、ガス不足が懸念されているNSW州などへのガス供給が難しくなる可能性も出ている。NTで余剰ガスが生産できなくなれば、NTのガス田と東部州を結ぶ8億豪ドル(約616億円)規模のパイプライン敷設事業ノース・イースト・ガス・インターコネクター(NEGI)の意義がなくなり、同事業が失敗する可能性が高くなっている。
 NT政府からガスパイプラインの運営を受注している、中国大手送電会社の国家電網傘下のインフラ企業ジェメナは4月に、NTでのガス生産見込みに不安があることから、NTテナントクリークからクイーンズランド州マウントアイザにガスパイプラインを敷設するNEGIで、供給規模を当初の4分の1に縮小すると決めている。
 ジャイルズ主席大臣は、労働党の公約がジェメナの決断に影響を与えたと批判したが、ガス生産企業は東部州へのガス供給料金の高さに懸念を示していた。
 ガス開発が滞れば、NTの雇用にも影響が出るとみられている。
 
 ■現職主席大臣に落選危機
 
 公共放送ABCは開票率60.4%(28日17時時点)で、与党地方自由党の最終獲得議席を3議席と予想。改選前は16議席を持っていた。地方自由党ではこれまで、前主席大臣が日本に外遊している際に党内の内紛によりジャイルズ主席大臣に交代しただけでなく、同主席大臣も外遊中に失脚する危機に見舞われたこともあった。同主席大臣はアリス・スプリングスを中心とした選挙区で、落選の危機にあるとしている。
 得票率54%となった労働党は、マイケル・ガンナー党首が次期主席大臣に就任する。

最終更新:8月29日(月)8時30分

NNA