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神木隆之介&上白石萌音と新海誠が語る『君の名は。』

Movie Walker 8月29日(月)7時0分配信

少年と少女の恋と奇跡を圧倒的な映像美で描く大作アニメーション映画『君の名は。』(8月26日公開)を生み出した新海誠監督。主人公の立花瀧を人気実力派俳優の神木隆之介、ヒロインの宮水三葉には、オーディションでこの役を射止めた上白石萌音が声を吹き込んでいる。そのほか、長澤まさみ、市原悦子ら豪華キャストが集結したことでも話題の本作。その魅力を新海誠監督、そして神木隆之介と上白石萌音の3人が語る。

【写真を見る】映画『君の名は。』の新海誠監督と主演の神木隆之介&上白石萌音が同作を語る

■ 最初に新海作品を観たきっかけは…?

神木「僕は『秒速5センチメートル』です。『何が5センチメートルなんだろう』と、少し気になったところから。友達からも『いい作品だよ』と聞いていて、最初は軽い気持ちで観たのですが、観始めたら夢中になってしまって。今は僕の携帯電話の中にデータとして入っています。映像を観ることができない時でも、耳で楽しめる作品です(笑)」。

上白石「私も『秒速5センチメートル』です。今回、『君の名は。』の三葉役のオーディションを受けることが決まった時に、その足でレンタルビデオショップに行って借りて帰って、すぐに観始めて……。次の日、テストがあったので、少しだけ観て勉強しようと思ったんですけど、最後まで観てしまって。私、何の前情報もなしに観たので、本編が三つのパートに分かれていることも知らなくて、主人公の……」。

神木「(素早く)貴樹君。遠野貴樹君(笑)」。

上白石「(笑)その貴樹君が、作中でずっと同一人物だって気付かないまま、という状況で観たんですけど、『こんな映画初めて観た!』って思いました。第2章の舞台が種子島なんですけど、私、鹿児島県出身なので、そういう部分でもすごく近いものを感じましたね。最初は、どういう声質の声優さんが起用されているんだろうって思いで観たんですけど、純粋に楽しんでしまって…。そこからはすっかり監督のファンになってしまいました」。

新海「お2人とも『秒速』なんですね。僕も昨日、ものすごく久し振りに見返しました。久し振りに観ると、しみじみ変わった映画だな、と自分で思いましたね(笑)。言ってしまえば、ほとんど何も起こらない映画なんです。『秒速』では水橋研二さんという役者さんに貴樹役を演じていただいているんですけど、神木さんがいかに水橋さんのお芝居をすごく分析的に観て、僕が好きなニュアンスを『君の名は。』に持ち込んでくれたかっていうのを、実感しました。そして、ヒロインの1人、明里を演じてくれた近藤好美さんの声が、とても上白石さんの声に似ていてびっくりしました」。

上白石「本当ですか!? 光栄です(照)」。

新海「好みの声なんですよね。三葉役はオーディションで色々な方に会っていったんですが、上白石さんで即座に『この人が三葉なんだ』って思ってしまったんです。声も演技もそうなんですが、たたずまいというか、存在感というか。言語化できない感覚の部分で、この人が三葉だと強く思ってしまった。瀧役については、神木さんならばこの作品を僕のことを知らない遠い場所、遠い人まで届けてもらえるだろうと考えました」。

■ 演技をするうえでのヒントが散りばめられていた(神木)

新海「今回、ビデオコンテって呼ばれるラフ絵や音楽が入っている、映画の下地みたいなものをお渡ししたんですよね。それには一応、僕が瀧や三葉の芝居をしているものが入っているんです。それにある演技のうえでのヒントとか芽みたいなものを何度も何度も観ることで読み取ってくださって、それを大きく育ててくれた状態でアフレコに来てくださってましたね」。

神木「台本と同時にビデオコンテをいただいて、それを見ながら練習していました。台本だと結構タイミングとかト書きが多く、ストーリーの細部が見えなかったりするのですが、いただいた映像を見て、本当に感動しました。ただ、その中に演技をするうえでのヒントが散りばめられていたので、それを絶対に見逃さないように集中して見ました」。

■ 3つの声を軸に組み立てた作品(新海)

新海「今回は特に音から映画の骨子を組み立てていきました。主役がお2人に決まる前から、音楽を担当したRADWIMPSの野田洋次郎さんと作品のお話をしていたんです。洋次郎さんには最初に脚本を読んでもらった後に『スパークル(movie ver.)』と『前前前世(movie ver.)』という曲をいただいたんですが、ものすごく素晴らしくて。『こんなすごい曲をもらってしまった。どうしよう!』と。映画内で4か所ヴォーカル曲が流れるシーンがあるんですが、それぞれの曲がかかる瞬間を映画のピークにしなければいけないと感じました。もっと言えば、そこをピークにできればこの映画はきっとうまくいくと思ったんです」。

神木「僕は以前から、RADWIMPSが大好きなんです。映画の中ではRADWIMPSの歌が4曲かかりますが、ボーカルの野田さんがそれぞれの曲に合わせたボーカルスタイルで歌われていて。すごい才能だと思いました」。

上白石「私もRADWIMPSが大好きなんです! オーディションの時の資料に、音楽はRADWIMPSって書いてあったのを見て興奮してしまいました(笑)。『これは絶対見に行く』って思ったくらい(笑)」。

新海「本作は、瀧と三葉の物語なので、瀧が何を語って、三葉が何を語り、その次に洋次郎さんが何を歌うかっていう、3つの声を軸に据えました。テンポ感も含めて、音のリズムで組み立てた作品です。ところどころドアが開くガラガラって音も本編に入っていますけど、あれはリズムをそこで刻むためのカットだったりするんです。そして、その前後の音を引き立たせるために、時々無音の瞬間もあるんですよね。そういったことを意識して作品を作っていたので、『君の名は。』は、音の映画であるというふうには思っていますね」。【取材・文/中村美香】

最終更新:8月29日(月)7時0分

Movie Walker

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。