ここから本文です

【CEDEC 2016】『シャドウバース』にも応用されたCygamesの次世代技術研究とは

インサイド 8月29日(月)19時39分配信

8月24~26日までパシフィコ横浜にて開催されたゲーム開発者向けカンファンレス「CEDEC2016」。その最終日、「Cygamesにおける次世代技術研究」と題したセッションが行われました。

【関連画像】

セッションの冒頭、Cygames取締役CTOである芦原栄登士氏が挨拶に立ち、研究所設立の経緯を語りました。芦原氏は海外メーカに押され、勢いのなくなってきた日本のゲームをもう一度世界に認めさせるには基礎技術の研究が何よりも重要と考え、2016年4月に基礎技術開発を目的とした研究所「Cygames Research」の設立に至ったそうです。

続いて慶応義塾大学特任准教授でCygamesの技術顧問を務める倉林修一氏が登壇。Cygames Researchの具体的な活動内容、および開発した次世代技術に関する報告が行われました。

■Cygames Researchの活動内容

Cygames Researchは、「最高のコンテンツを作るには、Cygames自身がテクノロジー・リーダーとなり、最高の技術を自ら生み出すべき」という理念のもと設立されました。研究分野はハイエンド・ゲームエンジンや第3のディスプレイであるVR・AR・MRの開発、次世代ベースの構築など多岐に渡ります。

Cygamesの行動原則は、「現実にインパクトを与える新しい理論」「実用と基礎研究の高速なイテレーション」「優秀な人材は、優秀な人材のいる場所に集まる」の3つ。
ひとつ目の「現実にインパクトを与える新しい理論」とは、その理論をゲームに実装した際にユーザーが楽しいと感じる体験へとつなげる。2つ目の「実用と基礎研究の高速なイテレーション」とは、「知恵や理論は、実際に機能するから正しい」という価値観を持って行動する。そして3つ目の「優秀な人材は、優秀な人材のいる場所に集まる」は、国際的な対外発表を積極的に行う理由にもなっています。

対外発表は活発に行われており、本年度も「DIGRA Japanに4件の論文を発表」「IEE VR 2016にポスター論文が採択」「マルチメディアに関するメジャーな国際会議のひとつであるIEE ISMに論文を投稿」と様々な活動をしています。これは「情報とチャンスは、情報を積極的に発表する組織に集まる」という倉林氏の考えに基づいているそうです。

■Shadowverse Portalに活用された次世代技術

Cygames Researchによって開発された次世代技術の一部は、すでに実用化が始まっているそうです。倉林氏がその例として挙げたのが、同社の人気TCG『シャドウバース』のデッキ作成支援ツールサイト「Shadowverse Portal」。

このサイトでは構築したデッキ情報を“デッキコード”として発行し、ユーザー間で交換することができます。40枚のカードのデッキ情報をコード化するには本来40文字以上が必要となりますが、Shadowverse Portalではわずか4文字のコード化に成功しています。倉林氏によると、この驚くべき短さは「ユーザーが“このページを見ている”行為をコード化する」ことによって実現したそうです。また新たに開発したデータベース技術によって、サイトのカード検索機能を飛躍的に向上させることにも成功しています。

最後に倉林氏は、来場者に対して「ゲーム開発に必要な技術は我々自身で開発し、テクノロジーのロードマップを引く主導権をゲーム業界に取り戻そう。そして世界中の人々が楽しむコンテンツを我々のテクノロジーで支えよう。そうすれば近い未来、世界中の人々が再び“日本のゲームってすごい”と言う日がやってくる」との言葉を贈り、講演を終えました。

最終更新:8月30日(火)19時21分

インサイド

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。