ここから本文です

CLT製造拠点 浪江に 県、復興支援で方針転換

福島民報 8/29(月) 10:04配信

 浜通りに新産業を集積する福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想で、福島県は建築材「CLT(直交集成板)」の製造拠点を最終的に福島県浪江町に整備する方針を固めた。当初は福島県いわき市を軸に調整を進めてきたが、浪江町は東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域内のため国の手厚い財政支援が受けられる上、来春の避難指示解除後の復興の足掛かりになると判断した。
 県は平成32(2020)年の東京五輪・パラリンピックでの県産CLT活用を目指し、東日本で初めてとなる製造拠点を整備する方針。
 当初は常磐自動車道と磐越自動車道が交わり交通の利便性が高いいわき市のいわき四倉中核工業団地を想定していた。しかし、国の企業立地補助金は最大2分の1の補助のため木材業者らによる事業主体の負担は数十億円に膨らみ、経営を圧迫するとの声が上がった。原発事故に伴う避難区域であれば国の交付金でほぼ全額を賄うことができる見通しで、賛同した浪江町の木材業者を軸に数社で新たな株式会社や協同組合などを結成する方向に転換した。
 製造拠点の候補地は避難指示解除準備区域内の沿岸部で、浜通りの大動脈の6号国道に近く、常磐自動車道浪江インターチェンジも利用できる。国の支援を受けて町が製造拠点を整備し、新組織が運営する「公設民営」方式の導入を視野に入れている。早ければ28年度に施設整備を始める計画だったが、場所の変更で29年度以降にずれ込む見通し。
 CLTの需要拡大が最大の課題で、県や新組織は「復興五輪」に位置付けられている東京五輪・パラリンピックで選手村の宿舎や関連施設などに県産CLTを活用するよう国に働き掛ける。県もCLT使用の災害公営住宅などの建設を積極的に進め需要を確保する。市町村が復興拠点の整備などで導入する場合に補助金を交付する方向で検討している。
 県は浪江町に整備するCLT製造拠点に県内から安定的に木板(ラミナ)を供給する体制の構築を目指す。具体的な輸送ルートは今後詰める。CLTなど新建材を巡っては会津地方の13市町村が連携して原料となるラミナの共同生産施設を会津地方に整備する方針。棚倉町の藤田建設工業はウッドALC(厚板集成材)の加工場を泉崎村に建設する。
   ◇  ◇
 付帯施設として新設する技術開発・研究施設は大熊町に設置する方向で調整が進んでいる。鉄骨やコンクリートなどと組み合わせた建築が可能なCLTの工法や強度、耐火性、遮音性の試験・研究などを行う。

福島民報社

最終更新:8/29(月) 10:15

福島民報