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トヨタと高炉大手、上期ヒモ付き価格決着。10月からの支給価格は据え置き

鉄鋼新聞 8月29日(月)6時0分配信

 中部地区の部品メーカー筋や複数の流通筋によると、トヨタ自動車が下期(10月から)の自動車用鋼板・棒線など鋼材支給価格(集購価格とも言う。部品査定価格などに用いられる鋼材単価)を据え置き、上期比横ばいとすることが明らかになった。なお、上期は4月からトン3千円の値下げとなっている。

 自動車メーカーと高炉メーカーとの鋼材ヒモ付き価格交渉は個別交渉のため詳細は明らかではないが、すでに2016年度上期(4~9月)分について横ばいに近い価格で決着している。支給価格決定はそれを受けたものだ。
 自動車向けのヒモ付き鋼材価格は、原料価格が4半期変動制に移行してから、原料価格や為替を織り込んだフォーミュラに沿って決まる要素が強くなっている。
 今年度上期の原料価格(ドルベース)は前年度下期比で上昇しているが、1ドル=120円レベルだった為替が大きく円高に進行しており、これを加味した円ベースでの上期原料価格は前年度下期と大きな差になっていない。そうした要因などを踏まえ、支給価格は据え置きとの判断になったとみられる。

 商社やコイルセンターなど鋼材流通業者の間では、今回の支給価格が小幅値下げになるのではないか、との見方が一部であった。円高が大きく進んだことによる原料価格の評価の問題に加え、支給価格と実勢価格との乖離是正などがそうした見方の背景にあった。足元ではスポット原料価格が上昇気味にあることからも、市中からは「横ばいで決まって安堵した。いくら小幅であってもマイナスと横ばいでは大違い」との声が聞かれる。
 鋼材価格は据え置きとなったものの、トヨタはティア1向け中心に部品メーカーへのコストダウン要求は継続するため、中小の流通・部品メーカーのところで、ゆがみが顕在化する可能性もある。
 なお、今年度の国内自動車生産台数は当初950万台程度と見られていたが、(1)来年4月の消費増税見送り(2)軽自動車の販売低迷の継続―などを背景に下押し気味となっている。
 下期には485万台程度と前年を上回る見込みになっているが、通期では930万台程度と想定される。

最終更新:8月29日(月)6時0分

鉄鋼新聞